小説 | ページ 11 | 徒然図書館

図書館は恋をするか『夢見る帝国図書館』中島京子

2021/9/18 小説

図書館は果たして夢を見るか。私たちはそれがただの建物であり、私たち自身の手によってつくられた意思のない造形物に過ぎないことを知っている。し...

2021/9/16 小説

今まで夢中になった作品は何か、と聞かれたならば、私が答えるのは、ひとつしかない。『ハリー・ポッター』。私はきっと、これからの人生であの作品...

2021/9/14 小説

妻が別の男と家を出たのは、つい数時間前のことである。妻の不倫を知った俺が追い出したのだ。空っぽになった部屋を、俺はぼんやりと眺めていた。

2021/9/12 小説

幼い頃、私はアニメの『はだしのゲン』が怖くてたまらなかった。原爆を受けたヒロシマの崩壊した町並み、見るに堪えない姿に変貌した人々、彼らのあ...

2021/9/11 小説

耳を澄ませてみれば、軽やかな音色が跳ねるように聞こえてくる。モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』。その音楽に浸りながら、伊坂...

2021/9/8 小説

わははは！　平和万歳！　平和万歳！　親爺が高らかにグラスを掲げ、笑い声を響かせた。親族一同踊り狂い、踊っていないのは私と、まだ何も知らない...

2021/9/5 小説

ウウン……怖い話、ですか。怪談の季節には少しばかり遅くないですかね。ハァ……まあ、ないわけではないですよ、ハイ。ええ、話すのは構いません。...

2021/9/2 小説

ただ書いていたい。それが生物としての営みに反した、常人には理解しがたい欲望であることは理解していた。しかしそれでも書かずにはいられない。そ...

2021/8/30 小説

手の中にある檸檬をじっくりと眺めてみる。鮮やかな黄色。滑らかな美しい流線形。しっとりと指に吸い付く冷たさ。すんと鼻をくすぐる爽やかな香り。

2021/8/27 小説

雨が降っている日だった。家の少しだけ突き出した屋根の下に、ソレはいた。濡れないように身を小さく縮込めて。ダンボールに開けられた穴から、虚ろ...