勘違いによって最強になってしまう男のファンタジー『隣にいるのは勇者様!?』ぱるめざん
目の前に、ひとりの男が座っている。彼は澱みのない瞳で真っ直ぐに私を見つめ返していた。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
目の前に、ひとりの男が座っている。彼は澱みのない瞳で真っ直ぐに私を見つめ返していた。
草木も眠る深き夜に、古びた街路樹の枝に一匹のコウモリがぶら下がっていた。月明かりがその姿を映し出す。
地下へ向かう階段は長く暗い。手に持った燭台の灯りがなければ一寸先すらも見えないほどだ。
「宇宙海賊。宇宙船を襲撃して物資を強奪していく集団、か。そんな前時代的存在なんて都市伝説だと思っていたのだがね」
私はもどかしく思っていました。いつも安全圏で祈ることしかできない自分自身に。
私たちの婚約は利害の一致と我が子への愛を果たす親同士の握手によって結ばれた。
年老いた大魔法使いに予言された若き王は剣を手に取り、迫り来る闇の軍勢に立ち向かう。
小生は猫である。名前かどうかはわからぬが、人間たちからはミコと呼ばれている。
老人は魔物だと思い込んだ風車に向かって果敢に突撃し、そして虚しく弾き飛ばされた。
ああ、そうだ、思い出した。私はようやく自分の中に追いついてきた記憶に彼を見出して得心した。