山好き必見のエッセイ本『山小屋ガールの癒されない日々』吉玉サキ
まるで足が棒のようだった。あんなに聞きたかった鳥の声も、あんなに見たかった新緑の木々も、もう何も目に入らない。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
まるで足が棒のようだった。あんなに聞きたかった鳥の声も、あんなに見たかった新緑の木々も、もう何も目に入らない。
働く、とは、いったい何だろう。僕たちはいったい、何のために働いているんだろう。
「お前、堅苦しすぎだぞ。少しは肩の力抜け」
僕は絶望した。僕たちの未来にあるのは果てしなく長い命。その長い階段は、いつになったら終わりになるのかすら、わからない。
僕はペンを持ったまま、動けなかった。机の上に置かれた進路希望調査票。その欄の中は、まだ空白のままだった。
テレビの中で白黒の人たちが一様に手を上げて笑っている。どうして彼らはあんなにも楽しそうなんだろう。私はいつも、そう思っていた。
僕の生まれ育った故郷は、海に浮かぶ小さな島である。学生の頃からずっと、僕はこの島から出ていきたくてたまらなかった。
学生の頃から、私は歴史がどうにも苦手だった。特に、世界史となると、もうさっぱりわからない。
「くそっ、またやられた!」
「ああ、まさかお前がそんなふうになるとは、思ってもいなかったよ」 「それは私のセリフだろう。元気そうで何よりだ」