さまざまな文学の登場人物たちが日本を救う『ものがたりの賊』真藤順丈
小説を読んでいて、いつも思うことがある。物語の中で活躍する主人公たちが、もしも一堂に会したとしたら、いったいどうなってしまうのだろう、と。
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小説を読んでいて、いつも思うことがある。物語の中で活躍する主人公たちが、もしも一堂に会したとしたら、いったいどうなってしまうのだろう、と。
洞ヶ峠を決め込む。日和見的な態度をとること、という意味を持つ故事成語である。筒井順慶とは、その故事成語が生まれる元となった人物だ。
やれとあるうち捨てられた廃屋に、顔突き合わせた三匹のケダモノ。はてさて、いったい何の話をしているのやら。
床に、文字の書かれた札が無造作に散らばっていた。私は目を皿のようにしてその文字を睨みつける。読み手が下の句を詠んだ時、私の目が、一枚の札を...
親子ってなぁ、どうにも鼻持ちならねぇ関係よな。切ろうとしても切れやしねぇ。憎んでいるそいつの名前が俺の背中にずっとついてきて回るのさ。まる...
エェ――それでは皆々様、集まりまして……そろそろ、始めましょうかいな……百物語を、ヒヒヒヒ……皆々、わかっておろうな……話し終わって、蝋燭...
日本はかつて、乱世であった。国の体裁は保たれず、多くの戦国武将たちが覇権を巡って争っていた。しかし、もっとも荒れ果てた時代はいつかと問われ...
家のために生き、夫に心を尽くして、良き妻として天寿を全うする。武家の女とは、そういうもの。母から教わったその教えは、私を縛る呪いの言葉でし...
司馬遼太郎先生の『竜馬がゆく』を読んで以来、私は坂本龍馬という男の人柄に惚れた。しかし、多くの人が歴史小説と称するその作品は、私にとっては...
差別は憎むべきことだ。アメリカは、世界のリーダーとして偉ぶっちゃあいるが、その実、その根底には、どの時代にだって根深く差別の温床が残ってい...