無駄な延命治療をやめることで人は人間らしく死ぬことができる『穏やかな死に医療はいらない』萬田緑平
亡くなってしまった祖父の、最期の姿が目に焼き付いている。身体に何本も針を刺され、身体をベッドに縛られて、鼻にも口にも器具をつけて目を閉じて...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
亡くなってしまった祖父の、最期の姿が目に焼き付いている。身体に何本も針を刺され、身体をベッドに縛られて、鼻にも口にも器具をつけて目を閉じて...
歳なんて取りたくない。ずっと、そう思いながら生きてきた。誕生日を迎える度に憂鬱になる。ああ、またひとつ、歳を取ってしまったのだ、と。
年を取る、とは、果たしてどういうことなのか。祖父が亡くなった時、私はそんなことを思っていた。
忘れられない光景がある。病院で寝ている祖母の姿。鼻にチューブが繋がれ、寝たきりになった、実験動物のような姿を。
「孤独死ですって……かわいそうに、ねぇ……」