迷い込んだのは男女逆転の遊郭『隅でいいです。構わないでくださいよ』まこ
悲鳴と怒声。襖の隙間から覗いた先には、白い肌に赤い蚯蚓腫れが尾を引いておりました。その時の鞭を振るう男の顔は、さながら鬼のようにも見えた...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
悲鳴と怒声。襖の隙間から覗いた先には、白い肌に赤い蚯蚓腫れが尾を引いておりました。その時の鞭を振るう男の顔は、さながら鬼のようにも見えた...
寝たきりの少女がゲームの中で自由を手にする 各務桂菜は起き上がって愕然とした。自分で起きられることに驚いたのだ。寝たきりの彼女の身体...
現実なんて嫌だ。ゲームの世界に入れたらいいのに。そんなことを考えていたから、こんなことになってしまったのだろうか。
いつだって、俯いて歯を噛み締めていた。悔しい。けれど、ぼくは抗う術を知らなかった。
桜の花が舞う季節、私はこれから通うことになる学校の校門をくぐった。緊張と、それ以上の未来への高揚が私の胸を躍らせていた。
「よい働きであった」 玉座に腰かける我が君の恐れ多い言葉に、私は平伏する。
私はふと気づいてしまった。ここが乙女ゲームの世界だということを。そして、私がその悪役だということを。
『リアデイルの大地にて』は憧れの世界への入り口だった。現実なんて辛いことばかり。けれど、ゲームはそんな現実を忘れさせてくれる。ディスプレイの中にはもうひとりの私がいて、別の世界が広がっている。『リアデイル』のようにこんな世界に行けたらいいのに。