
檻に入っているのは、どっち?『ミッドナイト・ホモサピエンス』渥美饒兒
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
小説を読んでいて、いつも思うことがある。物語の中で活躍する主人公たちが、もしも一堂に会したとしたら、いったいどうなってしまうのだろう、と。
学校からの帰り道、ふと、突然に、自分が歩いている普段通りの道が、きらきらと輝いて見えた。頭の中に「幸せの小道」という言葉が浮かぶ。うん、こ...
「おおロミオ! どうしてあなたはロミオなの!」
「やあ、みいちゃん」 「みいちゃんじゃないわ、チェシャ猫さん。私、アリスよ」
差別は憎むべきことだ。アメリカは、世界のリーダーとして偉ぶっちゃあいるが、その実、その根底には、どの時代にだって根深く差別の温床が残ってい...
……ああ、あの男か。ウム、知っておる、知っておる……。ここでは、知らぬ者の方が少なかろう……。いいじゃろう、話してあげよう……。誰ひとり出...
何も疑うことなく、全ての人、全ての存在を愛し、嘘を吐かず正直者で、無欲であり、まるで赤子のように純粋な人間がもしもいたとするのなら、君はそ...
昔、本棚に収まっていた『あしながおじさん』を勝手に読んでいた時期がありました。ちょっと不気味なあしながおじさんの影に気圧されながらも、何よ...
古典というものはなんとも面白い。書かれている風習も、社会も、今の私たちのそれとはまるで違う。それなのに、不思議と、そこに描かれている人間そ...