
檻に入っているのは、どっち?『ミッドナイト・ホモサピエンス』渥美饒兒
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
ずっと、なんとなくで生きてきた。将来は何かしらの職に就くのだろうとは思っていたけれど、やりたいことは何もない。学校で先生から聞かれる「将来...
その夏、私は初めて挫折を経験した。何もかも諦めて、終わりにしようと思った。そんな最悪の気分で出会ったのが、太田忠司先生の本だった。
我らの創造主は、生物のひとつひとつを完成された種族として生み出した。それがキリスト教における巨大な屋台骨であった。それが今、大きく揺るがさ...
白と黒を纏ったパトカー。制服を着込んだ警官たち。犯罪者を取り締まり社会の平和を守る、正義の象徴……。しかし、彼らの全てがそうではないのだと...
ようやく巣に帰ってきて、ほっと一息ついた。危険が多い外とは違って、巣の中は安全だ。持ち帰った獲物を子どもたちにあげに行く途中、ふと、一匹の...
私はスープが嫌いだ。味噌汁のような和食だろうが、ポタージュのような洋食だろうが、関係ない。スープを飲むと、胸がざわつく。だから嫌いなのだ。
「そんな予算がどこにある! 常識的に考えろ!」
この年にもなると、大した娯楽もない。人と会うでもない孤独な老人の唯一の楽しみといえば、ただ、好きなミステリを読むことだけだ。
小説を読んでいて、いつも思うことがある。物語の中で活躍する主人公たちが、もしも一堂に会したとしたら、いったいどうなってしまうのだろう、と。