新感覚数学ミステリ『浜村渚の計算ノート』青柳碧人
「うわっ、次のテスト、数学だよ」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「うわっ、次のテスト、数学だよ」
ふと、壁にかけられた日めくりカレンダーを眺める。白い紙にかわいらしい猫のイラストが描かれていた。
これで三人目だ。そして、四人目もまたすぐだろう。それが誰になるかは誰にもわからないけれど。
どうしてこうなったのだろう。私は呆然自失としたように脱力して、救いを求めるように天を仰いだ。
「世の中、賢く立ち回ってこそ、人の上に立つことができるのさ」
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私は正直者である。今までの生涯で一度も嘘をついたことはない。