人類の危機に現れた最強の少女たち『ロゼッタは引き篭もりたい』七沢またり
人類は滅亡の危機に瀕していた。それは誰の目から見ても明白で、その時は決して遠くない未来だった。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
人類は滅亡の危機に瀕していた。それは誰の目から見ても明白で、その時は決して遠くない未来だった。
何度経験しても、この瞬間だけは楽しめないなぁと思う。投げつけられる罵声を、私は目を閉じて聞いていた。
『勇者は厳しい戦いの果てに魔王を倒し、世界に平和を取り戻しました。めでたし、めでたし』
気がついた時、私は見下ろしていた。眼下に広がるそれを大地と呼ぶことを知ったのは、しばらく後のことだった。
少女は空腹だった。彼女の腹には怪物がいる。その怪物は、少女の命を蝕み、唸り声をあげ、もっと食えとせがむのだった。
七沢またり先生の『火輪を抱いた少女』を読んで以来、俺は空を見上げるようになった。そこには愛おしい輝きがいつだって浮かんでいて俺に微笑んでくれている。けれど、俺と彼女との距離は遠すぎて手を伸ばしても届かない。俺は彼女に近づくために翼を作って空へと飛び立った。