勇者と名乗る少女の凄絶な生き様『勇者、或いは化物と呼ばれた少女』七沢またり
『勇者は厳しい戦いの果てに魔王を倒し、世界に平和を取り戻しました。めでたし、めでたし』
『勇者は厳しい戦いの果てに魔王を倒し、世界に平和を取り戻しました。めでたし、めでたし』
私はふと気づいてしまった。ここが乙女ゲームの世界だということを。そして、私がその悪役だということを。
気がついた時、私は見下ろしていた。眼下に広がるそれを大地と呼ぶことを知ったのは、しばらく後のことだった。
彼女は悪女だと誰もが言っていた。誰もが彼女を怖れ、誰もが彼女の悪い噂を囁いていた。
少女は空腹だった。彼女の腹には怪物がいる。その怪物は、少女の命を蝕み、唸り声をあげ、もっと食えとせがむのだった。
私は自分のがま口の財布の中身を覗き込んだ。そこには小銭が数枚とくしゃくしゃの紙幣が一枚入っていた。
私はテレビやネットのニュースを心ならず見ていた。リポーターが『ユーチューバー』についての特集をしている。
『廃棄世界物語』は私を奮起させるきっかけになった。文明が滅亡し、法律が意味を為さなくなった世界において私は弱者で、すべてに怯えて生きてきた。けれど、その作品は本当に大切なことを教えてくれた。誇りを持って、何もかも失っても自分だけはなくさないように。
『最短で収益を得るためのGoogleアドセンス攻略ガイドブック』は私に希望を持たせてくれた。ブログ収入で生きていこうと決めたが、いつまで経ってもアドセンスに合格できない。先が見えなくなっていた私は、その本を読んで成功した未来を考えられるようになった。
『ゼロから始める! マンガFX入門』を読んで俺は変わった。俺はFXをギャンブルだと思っていた。破滅に向かうような危険なものだと。だが、それは正しいやり方を知らなかったからだ。基本をしっかりと身につけ、自分だけのルールを作り出せば、人生を変えることができる。