名前はまだない『吾輩は猫である』夏目漱石

吾輩は猫である。名前はまだない。我が主人である夏目金之助は、神経衰弱から逃れるために一篇の小説を書き始めた。主役は吾輩である。後にその小説が世に出回り、吾輩が日本一有名な猫になろうとは吾輩も主人もまだ知らない。ともあれ出演料に鰹節をよこせ。