衰退した人類の生活と妖精さん『人類は衰退しました』田中ロミオ
我々人類の作り上げた文明とやらが脆くも崩れ去ってしまったのも、もう数年前になります。
我々人類の作り上げた文明とやらが脆くも崩れ去ってしまったのも、もう数年前になります。
私は悲鳴を上げる侍女をどこか他人事のように眺めていた。その手から私の食事となるべきだったものが床に散らばった。
私の親は少し特殊な家業をしている。先祖から何代も続いてきた由緒正しい家業である。
「なあ、古典部に入らないか?」
私は扇風機の前にその身を横たえた。棒付きのアイスをシャリシャリかじりながら、畳の静かな香りを嗅ぐ。
「なあ、君、恋慕とは罪だ。そうだろう?」
「まだ結婚しないの?」 母からの結婚の催促も、もう聞き慣れたものである。私は良い相手がいないものだからと断った。
「つまり、僕のとっておきのプリンを食べた犯人は君ということさ」
幼い頃の私が愚鈍であったことを、私の今の姿から想像することは到底できないだろう。
「『少女地獄』という小説を読んだことがありますか?」