新感覚の歴史教育書『アニメで読む世界史』藤川隆男
『世界名作劇場』で、『フランダースの犬』のアニメを見たことがある。今より何年も昔のことだ。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
『世界名作劇場』で、『フランダースの犬』のアニメを見たことがある。今より何年も昔のことだ。
船で通学していた、と言うと、よく驚かれる。私自身、自分が学生だった頃、船での通学が決して好きではなかった。
幼い頃、私は絵本に書かれている物語を、本当にあったことだと信じていた。それが虚構だと知った今でも、時折、本当にあったのではないかと心の片...
シャッターの目立つ商店街の端、緑の屋根の小さな建物。看板には古めかしい店名が書かれている。角を曲がった時にすぐ目に入るその場所が、私の近...
テレビの中で白黒の人たちが一様に手を上げて笑っている。どうして彼らはあんなにも楽しそうなんだろう。私はいつも、そう思っていた。
甲高い音が響いて、大きな姿見に蜘蛛の巣のような罅が走った。罅の向こう側の世界には、肩で息をして、血走った眼で睨みつけている醜い女の姿があ...
「再会に、乾杯」 「乾杯、といっても、ジュースじゃ様にならねぇな」
僕の生まれ育った故郷は、海に浮かぶ小さな島である。学生の頃からずっと、僕はこの島から出ていきたくてたまらなかった。
一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚、七枚、八枚、九枚……。若者は呆然として、井戸に立って皿を数える女の姿を見た。
空が見える。空はどこまでも広がっている。海は空を映したのだという。だが、僕は逆だと思う。空が海を映しているのだ、と。