鍵は「コメント力」と「情報力」『コメントする力』竹田圭吾
スマホを手に、私は固まっていた。うーん、と考えて、指が少し動いては、また文字を消す。さっきから、その繰り返し。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
スマホを手に、私は固まっていた。うーん、と考えて、指が少し動いては、また文字を消す。さっきから、その繰り返し。
貧乏になるのも嫌じゃ、病気にかかるも嫌じゃ、死するのはもっと嫌じゃ、ましてや、その三つが立て続けに起こったならば。
ある時のことである。友人と二人、学校から家に帰る途中、外国人の男性に話しかけられた。
その村では、何十年かに一度、角の生えた子が生まれてくる。その子が十三歳になった時、生贄の刻は満ちた。”霧の城”にニエを捧げよ。
今、私が勤めている仕事は、10年後、いったいどうなっているんだろう。働いている時、ふと、そんなことを思った。
本屋で眺めていて、そのタイトルは妙に心に残った。ようやく手に入れたその本が、実はシリーズものだと知って私は愕然としたのである。
学生の頃に読んだ物語が、ずっと頭の片隅に残っている。読んだ直後に胸中に溢れていた不快な感情が、何年も経った今でも尾を引いていた。
虫の皇と書いて、バッタと読む。それは、バッタを追い求めるひとりの博士の狂気の物語である。
耳につけたイヤホンから、幻想的な音楽が聞こえる。柔らかく透明感のある声。私は目を閉じて、その世界観に身を沈めた。