今、私が勤めている仕事は、10年後、いったいどうなっているんだろう。働いている時、ふと、そんなことを思った。
『10年後の仕事図鑑』という本を、つい先日、図書館をうろついていて発見した。
著者は堀江貴文先生と落合陽一先生。一時、大きな話題を起こし、今もなお、強い影響力がある二人だ。
その本によると、今ある仕事のほとんどは、10年後には残っていないのだという。
「AIに仕事を奪われる」というのは、随分と前から騒がれていた話題のひとつだ。さまざまな作品で、その有様は描かれている。
どの作品でも、仕事をAIに奪われた人間たちがデモを起こしている過激で悲観的な未来予想図があった。しかし、その本によると、そうはならないのだという。
なぜなら、なくなっていく仕事もあれば、一方で、AIやインターネットの進化によって新たに現れたり伸びていく仕事もあるからだ。
大事なのは、なくなる仕事と残る仕事を的確に見分けること。そして、自分の価値を高めて、この先にも活躍できる道を持つことだという。
管理職や銀行、タクシードライバーやクリエイターに至るまで、その本を読むと、今ある職業のほとんどが未来にはなくなっていると予想されていて驚いた。
公務員といった、いわゆるエリート職とされているものまで、10年後にはほとんどがなくなってしまっているのだ。
時代が進んでいくのならば、その時代に適応して自分も変わっていく。それこそが、インターネットによって変わってしまった時代の、生き方だ。
私はその本に書かれている全てが正しいとは言わないけれど、「AIのせいで仕事を失った!」と騒いでいる人たちには、以前から思うところがあった。
AIの進化によって、たしかに不要となる仕事は増えた。けれど、そもそも、AIは人間が作業を効率化して便利にするために生み出したものだ。
AIが面倒な作業を請け負ってくれて、その結果、人間の仕事が少なくなるのは、むしろAIの存在意義としては大正解なんじゃないか、と。
人間は不完全なイキモノ。ずっと同じ作業を正確に続けることはできない。ミスもするし、疲れもする。
今まで人間が請け負ってきた仕事の多くをAIに任せて、AIにできない仕事を人間が受け持つ。AIが生み出された理由は、そもそもそういう未来予想図を実現させるためだったんじゃないか。
人が仕事をする必要がなくなって、すべてAIがしてくれるようになったなら、どんなに楽になることだろう。
それなのに、「仕事を奪われた!」とAIのせいにして騒ぎ立てる。失業したのは、その人がやるよりもAIに任せた方が正確で、ミスがなく、お金もかからないからだ。当然の結果。
彼らはようするに、自分が機械に劣ることを認めたくなくて、もの言わぬAIに八つ当たりしているに過ぎないのだと感じる。
つまり、人間は結局のところ、どれだけ世の中が便利になったとしても、遥か昔から続けてきた「仕事」という重石を下ろすことができないのだろう。
その重石があることによって安心する。だからこそ、その重石を下ろした方がずっと楽で、そうしたいと呟きながらも、その重石を奪われないように後生大事に持ち歩いているのだ。苦しみながら。
『10年後の仕事図鑑』によれば、多くの人がその重石を下ろすか、その種類を変えているという。けれど、私は実は、そうなるとは思っていない。
人は「仕事」がないと不安で仕方がないイキモノだ。口では何と言っていても、なんだかんだ理由をつけて、楽になる道を選ばないんじゃないかと思っている。
私が今、勤めている仕事はどうだろう。果たして、未来にこの仕事は残っているのだろうか。
本によれば、なくなっているらしい。けれど、結局のところ、その時になってみないとわからない。どうせ、まだ見ぬ未来の話なのだから。
それはきっと未来の話
僕は、未来のことを考えるのが嫌いだ。未来を想像したところで、その通りに実現することなんてありえない。
しかし、世の中の多くの人は、AIに仕事が奪われていく未来を肯定できないらしい。
でも、よく考えてみてほしい。1度きりの人生に、不安を持ち込むことに何の意味があるのだろうか。
これからは、自分で生き方をデザインしなければならない時代になっている。「こんな人生が幸せである」といった理想の人生モデルが崩れかけているのだ。
インターネットが世界を狭め、グローバルにつながった現代に、画一的な幸せのロールモデルは存在しない。
これを悲壮なことだととらえるのか、素晴らしいことだととらえるのかはあなた次第だ。
本書は、みなさんが激動の時代を力強く生きていってほしいとの願いを込めて、盟友落合陽一君とともに筆をとった。
すでに僕の頭の中には未来の姿があって、今、目の前の現状にもどかしく思うこともある。
読者のみなさんには、僕が見ている未来の一部を知ってほしいし、これからの時代に踏み出していってほしい。
いつの時代も、信じられるのは自分だけだ。本書が、自分の力で未来を切り拓いていく一助になってくれたら、それ以上に嬉しいことはない。
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