何かが違う。そんな思いが、ずっと胸にあった。あの時、あの本を読んでいなかったら、今も僕はあの会社でずっと働き続けていたのだろう。
米山彩香先生の『時間もお金も増える習慣』を読んだのは、就職して一年が経った頃だった。図書館で見かけたのが、最初だった。
大学を卒業して僕が就職したのは、誰もが名前を知っているような大企業だった。親から勧められ、そのために何年もかけて必死に勉強してきた努力が実った瞬間だった。
友人たちは祝福の言葉をくれたし、その中には羨望や憧憬の視線もあった。けれど、僕自身はといえば、どこか素直に喜ぶことができなかった。その理由がわからないまま、僕はその企業に入ったのである。
新入社員としての研修を終え、僕はすぐに社員の一員として仕事が割り振られた。それらの仕事を、無心でこなしていく。
とにかく多忙だった。いつも時間に追われていた。次第に家に帰ることすら億劫になり、会社で寝泊まりすることも多くなった。
その分、給料は多かった。同じ時期に別の企業に就職した友人の給料とは大きな差があるほど。だが、せっかく増えたお金も使う暇もない。
けれど、僕の心にはずっと、何か違うような、モヤモヤした感情が渦を巻いていた。いや、今にして思えば、それは学生の頃からすでにあったのだろう。単に、それが表層化したのが就職してからというだけだ。
その企業に就職するように言ったのは母だ。父も同じことを言った。その瞬間、僕の目標は決まったのだ。でも、それは本当に、僕の人生だと言えるのだろうか。
安定した収入と、出世していくこと。それが幸せなのだと。僕はずっとそう教えられてきた。自分でも大した目標がなかったから、そう信じてきた。
収入は安定していた。出世も、勤め続けていればできるのだろう。だけど、自分の好きなことをする時間は少しも取れなかった。
気が付けば、病院のベッドで寝ていたのは、就職して一年目にもなろうかという時。営業を終えて、会社に戻る途中で倒れたのだそうだ。
一週間のまとまった休みをもらったのは、就職して以来初めてのことだった。その時間は僕に、自分の人生を見直す機会をくれた。
果たして、今のままでいいのか。このまま僕は会社のために人生を捧げて、使い物にならなくなるまで使い潰されるのだろう。それは、嫌だな。
僕自身は、お金がそこまで欲しいわけじゃない。むしろ、僕は家でのんびり過ごす時間が欲しかった。でも、今のままでは、それが手に入ることはないだろう。
生き方を、変えなければ。僕の人生は、両親の望む生き方をするものだった。でも、そんなのは自分の人生じゃない。僕自身の人生を取り戻すんだ。
そう決意して、図書館に立ち寄った僕が出会ったのが、『時間もお金も増える習慣』だ。タイトルに惹かれて、さっそく読んでみることにした。
著者の米山先生は、弁理士を目指し、試験に落ちたことで人生を見つめ直したらしい。そして先生は、弁理士を目指す道から、副業から独立することを目指すように切り替えた。
そして今では、実働時間2時間で、会社員時代よりもはるかに多いお金を得て、時間もお金もある充実した生活を送っているのだそうだ。
そのカギとなるのは「習慣」だという。すなわち、時間もお金も手に入れ、成功するための資産を作る「よい習慣」を身につけることが、先生を成功へと導いたのだ。
僕にも、できるだろうか。いや、やってみよう。僕はそう決意した。あの瞬間があったからこそ、今の僕の充実した人生はある。
今でも、あの本の内容は覚えていて、欠かさず意識して実践している。でも、それも苦ではない。すでにそれは、「習慣」として僕の日常にとけ込んでいるからだ。
よい習慣を身につける
「弁理士になったら、幸せな人生が待っている!!」
そう信じて必死に勉強してきた弁理士の二次試験に落ちたのが、20代後半のとき。でも、おかげで自分の本当の幸せについて、あらためて見つめ直すようになりました。
弁理士になれば、幸せになれると思い込んでいたけれど、そうだろうか――。ガツガツと勉強をがんばっていたときは、自分が本当の意味でどう生きたいかが見えていませんでした。
私にできることは他にあるのかもしれない。自分を変えないといけないのでは? 30歳を目前にしてはじめて、自分を模索する方向に切り替えました。
次第に、私の目指す道は、「副業→独立起業」だと思うようになりました。そして副業をはじめて半年後、私は独立起業を果たしました。
あれから3年。今、私の日常には何にも追われない、ゆったりとした時間が流れています。けれども年収は、会社員時代の30倍以上となりました。本気で人生を変えようと思って、変われた先がとても幸せです。
結局は時間の多さではなく、毎日の時間の使い方、つまり「習慣」なんだと思うようになりました。そこで、「うまくいっている人、成功している人にはよい習慣がある」という共通点に気付いたのです。
ビジネスでもなんでも、成功するには「よい習慣」が大事。なぜなら、物事を習慣化することで、「がんばろう」と肩に力を入れなくても、自然と行動ができるからです。
時間やお金にしばられない生活は、心にゆとりをもたらします。人間関係もいいものになったと感じています。よい習慣を続けられれば、自分の理想のライフスタイルが絶対にかなえられる。今では、そう自信を持って言えます。
本書では、ストレスフリーに生きるための「よい習慣」とはどのようなものか、それをどう作っていくかについて述べていきます。
取り入れられるところを取り入れていただき、みなさんに「なりたい人生」を歩んでいただけたら、とてもうれしいです。本書が、あなたの理想の人生を手に入れるきっかけとなりますように。
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