年収300万生活を庶民が生き抜くには、株しかない!『森永卓郎の庶民株!』森永卓郎


 社会は厳しい。税金は上がっていく一方。貯金はどんどん減っていく。金利なんてもう期待できないし、年金すらももらえるかどうかわからない。

 

 

 減っていく残高を見るたびに、私は真綿で絞められているような恐怖を覚えた。働けど働けど、金は増えず、じわじわと減っていく。

 

 

 「それもこれも金持ちのせいだ!」なんて隣のおばちゃんみたいに叫んで批判するだけ、というのも、気が向かない。そもそも、それじゃあ何の解決策にもならないし。

 

 

 何かいい方法はないものか。そんなことを考えながら、図書館をうろついていると、ふと気になる背表紙を見つけた。

 

 

 『森永卓郎の庶民株!』。森永卓郎という名前はテレビで聞いたことがあった。私が見た番組では、家庭問題で揉めていたけれど。

 

 

 とはいえ、たしか経済アナリストという確かな肩書を持っている人らしい。というわけで、初志貫徹、とりあえずその本を読んでみることにした。

 

 

 私は株についてはまったくの素人である。どころか、嫌いまであった。どこかギャンブルのように感じていたからだ。この本も、お金に頭を悩ませていなければ手に取らなかっただろう。

 

 

 けれど、そんな私にも、その本はわかりやすく教えてくれた。基本的なことを理由までつけて丁寧に解説してくれるから、私でもすぐに理解できた。

 

 

 その本は未来の経済を予想している。とはいえ、ちょっと古い本なものだから、その未来はすでに過去のものなのだけれど。

 

 

 おおよそ当たっている、というのが私の所感だ。とはいえ、私はそこまで経済に詳しいわけではないのだけれど。

 

 

 一生懸命働けば働くほど報われる時代は終わりを告げた。うん、まさしくそんな感じがする。

 

 

 働けど、働けど。私が感じている苦悩は、私だけではないのだろう。隣のおばちゃんもよく愚痴を言っている。

 

 

 それが真実かはさておき、生活が少しずつ苦しくなっているのは確かだった。改善したくとも、どうすればいいのかわからない。私たちは働くしか知らないから。

 

 

 そんな私にこそ、株なのだとその本は言う。

 

 

 そもそも、今の社会は、誰もが予想すらしなかった事態に直面している。きっと、予想していた人はひとりとしていないだろう。

 

 

 世界的な感染症の流行。それは経済にとてつもない被害を与えた。しかも、それはまだ続いている。

 

 

 いろいろなことが変わりつつあるような気がした。今までの常識のままでは、通らなくなってきている。

 

 

 感染症が招いた大勢の人の失業。出勤せずに、テレワークで働くことが当たり前になりつつある。

 

 

 恋愛も、仕事も、人間関係も、ネットを介したものに変化していく。その変化を、誰が予想したものだろう。

 

 

 備えなければ。改めて、私はその危機感を痛烈に感じた。今の時代、突然それまでの生活が絶たれても不思議ではないのだ。

 

 

 株。それまでの私だったら、決して手を出そうとはしなかったもの。君は果たして、私を助けてくれるのだろうか。

 

 

 世の中は変わっていく。けれど、私は変わろうとしなかった。今、苦しんでいる人たちは、ようやくその怠慢の報いを受けたのだろう。

 

 

 変わらなければ、いけないのかな。良い社会になっていくことを期待するのではなく、社会に合わせて自分を良くしなければいけないのかもしれない。

 

 

 今後、きっと社会はもっと悪いことになる。今の感染症は、その先触れのように思えてならない。そんな予感がする。

 

 

 一生懸命働いて、お金を稼ぐ。そのステップから、ひとつ進まないと。とりあえず、まずは少額から、買ってみようかな。

 

 

 決意した私は、そのまま銀行の口座に向かった。

 

 

庶民を痛めつける社会を生き抜くために

 

 小泉純一郎首相の構造改革は、金持ちには減税、貧乏人には増税が基本路線です。しかも、少子化や平均寿命の伸びが想定以上に進んだ場合には、さらに年金額が削減されることになっています。

 

 

 庶民は、地獄のシナリオといっても過言ではない状況に突き落とされているのです。

 

 

 会社を辞めたり、リストラや倒産で職を失うと正社員の就職口はなく、あったとしても給料はそれまでの半分。

 

 

 これで勝ち組と負け組の収入の格差は急激に進行し、少し気を抜くと年収100万円生活に転落しそうな情勢になってきました。

 

 

 今や日本は、額に汗して一生懸命に働けば報われるという社会からカネがカネを生む錬金術の社会へと変貌してしまったのです。

 

 

 このような庶民を痛めつける社会になってしまった以上、庶民が取るべき選択肢は二つしかありません。

 

 

 清貧を貫き、ますます貧者に落ちていくか。それとも、知恵を絞ってお金を稼ぐか。そして庶民が、なけなしの資産を増やすためには、やはり少額投資から始められる株式投資しかないのです。

 

 

 株式投資はインフレ対策にもなる庶民の最終手段です。せっかく築いた自分の資産を守るためにも、今から資産運用の基礎を固め、かしこく立ち回れる訓練をしておきましょう。

 

 

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