考え方が「成功」を導く『普通の人がお金持ちになりたくなったら』井口晃


お金持ちになりたい。誰もが心の中で思っている願いだろう。けれど、実際にお金持ちになれるのは、その中でもごく一部の特別な人たちだけだ。ずっと、そう思っていた。

 

その考えが変わったのは、井口晃先生の『普通の人がお金持ちになりたくなったら』を読んでからだった。

 

著者の井口先生は、今はお金に困らない悠々自適な生活を送っているらしい。つまり、いわゆる「お金持ち」というわけだ。

 

だが、前書きで書かれている先生の生涯は、一見信じがたいものだ。特に、このような本を書いている人とは思えないような。

 

先生は中学、高校といじめにあって転校を繰り返し、大学も中退。就職経験はなく、働きもせず実家暮らしを続けていたがために親から愛想を尽かされたような人物だったのだという。

 

聞くだに今の先生と結びつかない。現代の社会の中だとそれほど珍しいわけでもない、「普通の人」だ。それも、社会から滑り落ちているような人。

 

けれど、先生はそこから今のような「お金持ち」になった。「普通の人」でも「お金持ち」になれるという先生の理屈は、その先生の生涯そのものが何よりの説得力のある理由になっている。

 

だが、現実として、「お金持ち」は少ない。ほとんどの人は不景気の中で日々のお金のやりくりに苦慮し、生活を支えるために必死で働いている。

 

この差は、いったい何なのか。普通の人が先生のように「お金持ち」になるには、いったいどうすればいいのか。その答えこそ、この本に書かれていることだ。

 

それを、先生は「お金持ち思考」と呼んでいる。スキルや人脈や才能なんかじゃない。それはただの考え方だ。つまり、ただの考え方ひとつで、「普通の人」でも「お金持ち」になれるという。

 

え、本当に? なんて、「普通の人」である私は思ってしまう。けれど、きっとそれは、私がこの本の言うところの「貧乏思考」をしているからだろう。

 

お金持ちはお金持ちになる考え方をしていて、貧乏人は貧乏になる考え方をしている。どうにもできない仕方がないことなんかじゃなくて、それは、ほんの少し意識することで簡単に変えることができるものだ。

 

私にも、なれるだろうか。お金持ちに。私の家は貧乏で、父も母も苦労して働いてきた。その状況を、仕方がないことだと受け入れてきた。

 

もう少し、お金があれば。そんなことを思ったことも、一度や二度だけじゃない。でも、願っても天からお金が降ってくるなんてことはないのだ。

 

そんな私でも、本当に変われるの。胸中に浮かぶその疑問に、その本が答えてくれている気がした。そう思うと、勇気が湧いてくる。

 

才能や家柄なんかじゃない。ただの考え方の問題だ。だったら、私でも、お金持ちになれる。それは、私の胸に一抹の希望を与えてくれる。

 

 

お金持ち思考と貧乏思考

 

よく「お金は目的なのか手段なのか」という質問をいただくのですが、私はお金は自分の理想とする生き方を実現するための「手段」にしか過ぎないと思っています。

 

もし、あなたが世間一般の人と同じような「平凡な生活で満足する人生を送る」ことができるのであれば、必要以上にお金を稼ぐ必要もないでしょう。

 

ただ、本書を手に取っていただいた時点で、あなたは「今の生活にとくに不満はないけれど、もう少しだけお金があればいいのにな……」と思われているのではないでしょうか?

 

そもそも、お金持ちと貧乏人の違いは、いったい何なのでしょうか?

 

実のところ能力の点で見た場合、私は「お金持ち」と「貧乏人」にさほど大きな違いはないと思っています。というのも、お金に困らない理想のライフスタイルを手に入れた私自身が他人より能力があるとは決して思えないからです。

 

なぜ私の人生が180度変わったのかといえば、答えはシンプルです。それはお金持ちが必ず持っている、お金に関しての正しい思考法、つまり、「お金持ち思考」を身につけたからです。

 

お金持ちになる人は「お金持ちの思考法」、貧乏になる人は「貧乏人の思考法」を持っています。なので、あなたも思考法さえ変えれば、必ずお金持ちになることができます。

 

思考は行動を変え、現実を変える力を持っています。思考とは人の脳内で完結するものではなく、人の行動の根源になるものなのです。

 

今の時代、お金を生み出す方法はいくらでもあります。厳しい競争社会を勝ち抜く知恵と思考法さえ身につけることができれば、エリート教育を受けていなくてもお金は入ってくる時代になったのです。

 

そして、その知恵を磨いていく最初の一歩となるのが、今の自分が持っている「貧乏思考」を捨て、本書が提唱する「お金持ち思考」を身につけることです。

 

そして「お金持ち思考」を身につけたら、あとはお金を稼ぐためのスキル同士と、それを可能にするための人間関係の構築、自分を取り巻く環境を変えることに全精力を注いでいくべきです。

 

本書では、お金を生み出すための「思考法」を中心に、具体的に鍛えていかなければならないスキルの話や人脈形成術について、私の経験談を交えながら説明していきます。

 

あなたが本書を読み終える頃には、「お金持ち思考」を身につけ、「新しい自分」に確実に生まれ変わっていることでしょう。

 

 

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