広告配信を教えてくれる入門書『ネット広告の基本と仕組みがすべてわかる本』佐藤和明


ふと、視線が吸い寄せられる。スマホの画面の隅にひっそりといる、その小さな広告。そして思ったのだ。果たして、それは何のために置かれているのだろうか、と。

 

スマホを使っている時、いつもそれは大きく前に出て邪魔をしてくる。何も興味がないのに、スマホだとタッチしやすいものだから、よく間違ってその度にイライラさせられるのだ。

 

広告は嫌いだ。テレビを見ている時は番組の途中のいいところでやたらと挟まってくる。新聞の間に挟まっている広告はごみが増えるだけの結果になる。何より、何が何でも商品を売ってやろうという企業側の意図が透けて見える(そもそもそういうものだが)のが嫌で仕方がなかった。

 

しかし、その中でも、ネット広告というやつは殊更に品がないような気がする。わざわざタッチを邪魔するようなところにあるのがなんともイヤラシイ。

 

なぜこんな、ネット広告なんてものがあるのか。むしろ、イライラして嫌いになってしまいそうなものだが。疑問を考え始めると、止まらなくなってしまった。

 

そこで、手にしたのは、『ネット広告の基本と仕組みがすべてわかる本』である。図書館をうろついていた時に見つけたものだ。素晴らしい、何が書かれているのか、すべてタイトルに書かれている。

 

私はよく知らないままネット広告を嫌っていた。だが、敵を知らねば批判もできまい。そのものに対して詳しくなってこそ、初めて批判に説得力が生まれるのである。私がその本を読むことに決めたのは、そういった次第であった。

 

さて、そもそもネット広告とは、どんな仕組みか。それは、いわゆる競争のような形で、広告枠を巡ってお金が飛び交っているのだという。

 

広告枠によってその価格は異なり、良質な枠は大企業同士の取り合いになっている一方で、安い価格の広告枠もあるため、中小企業や個人であっても自分に合った広告枠を買うことができる。

 

今や若者の多くはテレビを見るよりもネットを見ている。その広告の効果は絶大の一言であろう。一日に何千、何万という人の目に、その広告は映っている。

 

目に映るだけでも広告としての役割は十二分に果たせていると言えるだろう。だが、ネット広告の真髄とは、それ以上のところにある。

 

それは、ネット広告から直接ラインをつなぐことができるという点だ。テレビは広告を見て、その商品やサービスが欲しくとも、店に行くかでもしないと手に入らない。

 

ところが、ネット広告であれば、気になった時にその広告をクリックすれば、すぐさま企業のページに飛べる。そのため、企業としてはこれほどアピールしやすいものもないだろう。それこそがネット広告の最大の利点である。

 

そして、もうひとつの特徴は、ターゲットを絞り込めるということだ。テレビはその時間にただ広告を垂れ流すだけだが、ネット広告はそうではない。

 

ネットは使用者の情報を集め、より使いやすくなるように自らカスタマイズしていく機能がついている。検索でよく使用する言葉の予測変換のように、どのページをよく見るのか、どういったものに興味があるのかを調べてくれているのだ。

 

それは、ネット広告として反映される。だからこそ、ネット広告として表示されるのは、使用者がよく見ている「興味がある」商品やサービスになる。なんと合理的なのだろう。

 

広告枠の場所はさまざまだ。ブラウザのトップページの広告枠は大企業が取り合っている。アフィリエイトというシステムは、個人のブログやサイトに広告枠を借りる仕組みになっているらしい。

 

この仕組みを使ってお金を稼ぐのが、いわゆるYoutuberやアフィリエイターだ。彼らは自分のチャンネルに広告枠を貸し出すことで、その場所代を得ているというわけである。

 

読み終わって、ほうと息を吐く。気が付けば、私の心中にあったネット広告への嫌悪がなくなっていることに気が付いた。

 

知れば批判もできよう。そう思っていたが、その仕組みを知った今、批判は浮かばない。なぜなら、ネット広告はさまざまな人のためになる合理的なシステムなのだとわかったからだ。

 

……いっそ、私も出してみようか。そんなことすら思う。あのページの隅っこに佇む小さな広告のような、慎ましく、しかし目を引く広告を。

 

 

ネット広告の仕組みとは

 

Webメディアにネット広告が表示されるたびに、その裏ではミリ秒単位で広告枠の競争入札が行われています。この仕組みがリアルタイム入札というアドテクノロジーです。

 

今やアドテクノロジーからアドエクスチェンジへ進化し、さまざまな広告枠の売買がミリ秒単位で行われています。アドテクノロジーはさらに進化するでしょう。

 

進化したのはアドテクノロジーだけではありません。今や、フィーチャーフォンからスマホへと端末は移り変わり、タブレットも登場してデバイスの種類は多種多様です。デバイスの種類が多岐にわたることで、ネット広告の種類も莫大に増え続けています。

 

このように日々の進歩が著しいネット広告ですが、2019年3月現在で、最新の情報をわかりやすくまとめてみました。本書がネット広告の基本を学びたい方の入門書として役立てていただければ幸いです。

 

 

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