今までなかったものがブームになる『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん
仕事がない。四畳半の汚い部屋の真ん中で、俺はぼんやりと天井を見上げた。スープだけ残ったカップラーメン、潰れた空き缶、空っぽのスナック菓子の...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
仕事がない。四畳半の汚い部屋の真ん中で、俺はぼんやりと天井を見上げた。スープだけ残ったカップラーメン、潰れた空き缶、空っぽのスナック菓子の...
「好き」ってなんだろうって、ずっと思っていた。夢中になってのめり込めるものなんて、今までの人生の中で何ひとつなかった。「オタク」と呼ばれる...
学校を退学になった。俺と戦争をしているがごとく怒鳴り合いの争いをした教師は、疲れ切ったような、それでいてどこか取り残された子どものような、...
画面を見て、僕は思わず蒼褪めた。買った時はたしかに上を向くと思っていた線が、一気に下を向いて落ちていた。このままだと、まずい。僕は慌てて約...
彼の腕が私を抱きしめる。間近に迫る彼の顔。煽情的に濡れた瞳がきらきらと輝いてきれいだった。私が好きになった瞳。私の親友が好きになった瞳。胸...
幼い頃は早く大人になりたかった。小学生も高学年になると、大人になんてなりたくなくなった。壮年の頃は、子どものような人だと笑われていた。そし...
いわゆるエッセイというものを、私はあまり好まない。ことに作家のエッセイというものは。作家や声優といった彼らは、表に出るより、影に黒子と徹す...
昔、のそのそと蠢く毛虫を棒でつついて遊んでいたことがある。周りには誰もいなかった。棒が毛虫の首を千切りとったとき、私はその顔をまじまじと見...
時は乱世。その有様はかつての戦国時代のようである。天下を手にせんと鎬を削る国は企業へと姿を変え、言葉の刀を用いて鍔競り合う、姿なき言葉の戦...
アウンサンスーチーという名を、先日、ニュースで見たばかりである。おや、その名前、この前もどこかで見たような。その日は一日中首をひねっていた...