お金に困らない人生を送っている人に共通していることとは?『お金に困らない人、困る人』松尾昭仁


どうしようか、困ったことになった。私は自分の財布の中を見てため息を吐く。まだ月の半分ほどであるというのに、お金が底をついてしまったのである。驚くほど軽い自分の財布に、思わず頭痛を覚えた。

 

生まれてからずっと貧乏だった。父も、母も。両親は給料はすぐに生活費に吹き飛んでいくのが当たり前だと思っていたし、私にとってもお金がないことが普通の状態だった。

 

もちろん、クラスの金持ちなやつを見ていると羨ましくはなる。彼らに笑われると悔しく思った頃もあった。しかし、それが我が家なのだと、どこか開き直っていたようにも思える。

 

だが、社会人になると、それが我が身に深刻な被害をもたらすようになった。貧乏に慣れ過ぎて、お金が入ると落ち着かない。だから、思い切り使ってしまう。そして足りなくなるのだ。

 

給料は、そう少ないわけじゃない。だが、私は貯金というものがまるでできなかった。常にギリギリの状態で、どうにか家計をやりくりしているような有様だった。

 

それが致命的な事態を引き起こしたのは、つい先日、怪我をして余分な臨時支出をしたことだった。怪我はたいしたことがなかったが、病院に行ったことでお金が足りなくなったのである。

 

しかし、どうにかしようにも、親か会社の先輩に泣きつくしかない。ひとまず、私は図書館に行って時間を潰すことにした。電気代を使わないため、という言い訳をしているが、つまるところ、ただの現実逃避である。

 

だから、その本を手に取ったのはまったくの偶然だった。松尾昭仁先生の『お金に困らない人、困る人』である。まさに「お金」という言葉につられて読もうと決めた。

 

その本では、一生お金に困らない人と、お金に困る人の習慣の違いを比較して書かれていた。私が驚いたのは、私自身が、お金に困る人の習慣に多く当てはまっていたことである。

 

今の私の状況はまさしく、お金に困っている。もしや、この本は信憑性があるのではないか。思わずそう考えた。どうやら、この本の著者は、気の遠くなるような数の人たちを相手に検証をし、その習慣の共通点を明らかにしたのだという。

 

ならば、私が今までとは逆に「お金に困らない人の習慣」をなぞらえば、私のこの慢性的な経済難も解決するのではなかろうか。私は思わずごくりと唾を飲み込む。

 

なーんて、そんな上手い話があるわけないじゃないか。私は自嘲気味に笑う。こんな本に騙されない。習慣を変えればお金が貯まる? そんなにうまくいくのなら、今ごろは誰もが大金持ちだ。実際、お金には関係のないような習慣もたくさん書かれていた。

 

やめだ、やめ。私はその本を本棚に戻して、現実逃避を切り上げ、席を立とうとする。そろそろ、本腰を入れてお金の対処をしなければいけない。

 

だが、私の心には、何かがずっと引っかかっているような気がしていた。言うまでもなく、あの本。『お金に困らない人、困る人』である。

 

しばらく書棚の前をうろうろとし、ええいもう、と内心で声を上げる。しまい込んだ本を改めて手に取り、司書にこの本を借りたいんですが、と、言い募った。思えばその時が、私の転機だったのだろう。

 

 

お金に困らない人の習慣

 

あなたは1年後も、お金に困ることなく食べていく自信はありますか? では、10年後はどうでしょうか? 10年後はどうなっているかわからないというのが本音ではないでしょうか。

 

今はなんとか食べていくことができている人でも、将来については大なり小なりお金の不安を感じているはずです。しかし、そんな人たちの話をよくよく聞いてみると、実力があるにもかかわらず、お金に困っているのです。

 

一方で、そうした人たちと実力的には大差がないにもかかわらず、お金に困らない人たちがいます。実力がそれほど変わらないとしたら、両者は何が違うのでしょうか?

 

それは、まわりからの「評価」です。ビジネスパーソンの収入は「評価」で決まります。まわりに正当な「評価」をされているかぎり、お金に困るような事態には陥りにくい。それは、まわりが放っておかないからです。

 

ところが、実力や能力があるにもかかわらず、お金に困る残念な人が多くいます。彼らはまわりから適正な評価を得られていない。つまり、小物として扱われているから収入も少ないのです。

 

一方で同じような実力であるにもかかわらず、高収入を稼ぎ続けている人がいるのも現実。まわりから、いわば”過大評価”され、大物感を醸し出しているタイプです。そんな彼らは、お金に困らない生活を送っています。

 

あなたは、過小評価されたまま人生を過ごしたいですか? 過大評価されて、お金に困らない人生を手に入れたいですか? もちろん、後者でしょう。少なくとも正当な評価をされることを願っているはずです。

 

本書では、お金に困らない人の考え方や行動原則について、お金に困っている人と比較し、分析することによってあきらかにしています。

 

本書を読んで、あなたの考え方や日々の習慣をチェックしてみましょう。そして、ぜひ「お金に困らない人」の思考や行動を実践してみてください。まわりの評価が変わることで自信がつき、お金の不安が解消されていくはずです。

 

 

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