悪魔のように笑う呪いの少女『みつばものがたり』七沢またり
許さないわ。絶対に。ゼッタイに。ずっと一緒だって言ったのに。ずっと友だちだって言ったのに。 あのうるさいカラスが言ったのよ。お...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
許さないわ。絶対に。ゼッタイに。ずっと一緒だって言ったのに。ずっと友だちだって言ったのに。 あのうるさいカラスが言ったのよ。お...
幽霊って、どんな感じなんだろう。誰もが考えるそんな疑問の答えを、私は自分の身を以て知ることとなった。
何度経験しても、この瞬間だけは楽しめないなぁと思う。投げつけられる罵声を、私は目を閉じて聞いていた。
私は人間が嫌いだった。彼らの思考回路ほど難解なものはこの世にないからだ。
私の目の前に座った骸骨の男は死神と名乗った。店員さんを呼んでカプチーノを頼んでいる。ブラックのコーヒー飲めないんですよ、と恥ずかしげに言...
『勇者は厳しい戦いの果てに魔王を倒し、世界に平和を取り戻しました。めでたし、めでたし』
気がついた時、私は見下ろしていた。眼下に広がるそれを大地と呼ぶことを知ったのは、しばらく後のことだった。
彼女は悪女だと誰もが言っていた。誰もが彼女を怖れ、誰もが彼女の悪い噂を囁いていた。
少女は空腹だった。彼女の腹には怪物がいる。その怪物は、少女の命を蝕み、唸り声をあげ、もっと食えとせがむのだった。
『竜王陛下の逆鱗サマ』は私の憧れそのものでした。彼らのように甘い言葉を交わし合うように愛し合いたいと願っておりました。しかし、私が愛した人はもう私には何も囁いてはくれず、私は誰よりも嫌いな殿方のもとへと側妃として嫁ぐことになったのでございます。