
檻に入っているのは、どっち?『ミッドナイト・ホモサピエンス』渥美饒兒
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
動物園という場所が嫌いだった。臭いとか、動物が苦手だとか、そんな理由じゃない。檻の中から私を見つめてくる動物の、目。その目が、何よりも恐ろ...
その夏、私は初めて挫折を経験した。何もかも諦めて、終わりにしようと思った。そんな最悪の気分で出会ったのが、太田忠司先生の本だった。
白と黒を纏ったパトカー。制服を着込んだ警官たち。犯罪者を取り締まり社会の平和を守る、正義の象徴……。しかし、彼らの全てがそうではないのだと...
私はスープが嫌いだ。味噌汁のような和食だろうが、ポタージュのような洋食だろうが、関係ない。スープを飲むと、胸がざわつく。だから嫌いなのだ。
「そんな予算がどこにある! 常識的に考えろ!」
この年にもなると、大した娯楽もない。人と会うでもない孤独な老人の唯一の楽しみといえば、ただ、好きなミステリを読むことだけだ。
小説を読んでいて、いつも思うことがある。物語の中で活躍する主人公たちが、もしも一堂に会したとしたら、いったいどうなってしまうのだろう、と。
最近、SNSというものを始めてみた。と、友だちに言ってみたら、「今更⁉」と大いに呆れられたのだけれど、さっそくはまり込んでい...
J.R.R.トールキンの『指輪物語』を初めて読んだ時、大きな感動を覚えたことが今でも胸に残っている。想像上に築き上げられたもうひとつの世界...
洞ヶ峠を決め込む。日和見的な態度をとること、という意味を持つ故事成語である。筒井順慶とは、その故事成語が生まれる元となった人物だ。