闇の組織も正義の味方も全部ニセモノ!『世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)』黒留ハガネ/クロル
「なあ、学校にさ、もしも悪党が入ってきたら、どうする?」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「なあ、学校にさ、もしも悪党が入ってきたら、どうする?」
目の前に、ひとりの男が座っている。彼は澱みのない瞳で真っ直ぐに私を見つめ返していた。
私の目の前に座った骸骨の男は死神と名乗った。店員さんを呼んでカプチーノを頼んでいる。ブラックのコーヒー飲めないんですよ、と恥ずかしげに言...
『勇者は厳しい戦いの果てに魔王を倒し、世界に平和を取り戻しました。めでたし、めでたし』
『廃棄世界物語』は私を奮起させるきっかけになった。文明が滅亡し、法律が意味を為さなくなった世界において私は弱者で、すべてに怯えて生きてきた。けれど、その作品は本当に大切なことを教えてくれた。誇りを持って、何もかも失っても自分だけはなくさないように。
ジャックにとって『カボチャ頭のランタン』は人生最後の本になるはずだった。それが嫌だったジャックは、魂を取りに来たという悪魔を捕らえ、自分の魂を取らないように契約を交わさせる。しかし、ジャックは思わぬところで自分の所業の報いを受けさせられることになる。
『リアデイルの大地にて』は憧れの世界への入り口だった。現実なんて辛いことばかり。けれど、ゲームはそんな現実を忘れさせてくれる。ディスプレイの中にはもうひとりの私がいて、別の世界が広がっている。『リアデイル』のようにこんな世界に行けたらいいのに。
私にとって『蜘蛛ですが、なにか?』はまるで自分と重なるようだった。教室に紛れ込んだ一匹の蜘蛛。逃げることもできず、残酷な運命を待つしかできなかった蜘蛛を、私は助ける。その夜、私は夢を見た。人間に生まれ変わる前の、前世の夢。かつて私が蜘蛛であった頃の夢を。
さき先生の『ふたりぼっちの聖騎士団』は、私にとって学びを得るためのものだった。伝統だから。昔から続けてきたから。みんながやっているから。そんな理由で彼女はいじめられていた。その光景を見て、私は疑問を覚える。その伝統は、本当に正しいのだろうか、と。