もしも歴史がやり直せるなら?『ねじの回転』恩田陸
ああ、なんてことだ。私は頭を抱えた。このままでは歴史が変わってしまう。その時、果たして私の元いた時代はどうなるのだろうか。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
ああ、なんてことだ。私は頭を抱えた。このままでは歴史が変わってしまう。その時、果たして私の元いた時代はどうなるのだろうか。
時代は変わる。変わっていく。今はすでに過ぎ去った歴史となっていって、世界は少しずつ、前へと進んでいく。
毎日のように、ニュースでは悲惨な事故や事件が報道されている。そんな国に、今、私は生きているのだ。
この戦いは、敗北するだろう。決して口には出さずとも、私はそのことを半ば確信していた。
私は卒論のテーマを進めていた。私が選んだテーマは台湾の歴史についてである。
「今、授業でやってるやつさあ」 「あ、なんだっけ、『走れメロス』だっけ」 「あれ、あたし、好きじゃないんだよね。なんか暑苦...
時は戦国時代。天下を争奪しあう群雄割拠の時代である。一国を治める戦国大名たる某も、その尻馬に乗らねばならぬ。