筒井先生の公開日記集『偽文士日碌』筒井康隆
いわゆるエッセイというものを、私はあまり好まない。ことに作家のエッセイというものは。作家や声優といった彼らは、表に出るより、影に黒子と徹す...
いわゆるエッセイというものを、私はあまり好まない。ことに作家のエッセイというものは。作家や声優といった彼らは、表に出るより、影に黒子と徹す...
昔、のそのそと蠢く毛虫を棒でつついて遊んでいたことがある。周りには誰もいなかった。棒が毛虫の首を千切りとったとき、私はその顔をまじまじと見...
時は乱世。その有様はかつての戦国時代のようである。天下を手にせんと鎬を削る国は企業へと姿を変え、言葉の刀を用いて鍔競り合う、姿なき言葉の戦...
アウンサンスーチーという名を、先日、ニュースで見たばかりである。おや、その名前、この前もどこかで見たような。その日は一日中首をひねっていた...
かつて、世界大戦において日本が経験した手酷い敗北の数々は、司令部は戦いの基本ともいえる兵站を軽視したこと、そして情報戦を軽視したことが大き...
武士道とは、死ぬことと見つけたり。かつて多くのもののふたちは果敢に戦い果てて、英雄となった。そしてまた、主君の無念を晴らすのだと意気軒高と...
ことに女性というものは生きにくいものだと感じるばかり。それは女性の権利が認められるようになった現代であっても。今もなお、それは道半ばである...
綿矢りさ先生の作品を読むと、どうしてだか切なくなる。それは、どこか淡々としている先生の文体のせいかもしれないし、繊細な感情に揺れている女の...
スーツを着たまま、呆然と佇む。仕事に行かねば、いや、違う。行かなければならなかった仕事は、もう、失ったのだ。私は周りを見渡す。まるで迷子の...
「犯人はあなたですね、先生」