新しい形の読書『Kindleクリエイティブ読書術』倉園佳三


「何、お前、まだそんな紙の本読んでんの?」

 

 

 僕がいつものように本を読んでいると、突然声をかけられた。見れば、彼が僕の前の席に後ろ向きに座る。僕は本から顔を上げて、彼を顔を見合わせた。

 

 

 彼はポケットから手を出す。その手にはスマホが握られていた。彼はそれを、これ見よがしに見せつけるように振って見せた。

 

 

「こいつとか、使ってみればいいのに」

 

 

「どういうこと?」

 

 

 彼が何を言いたいのかわからなくて聞いてみると、彼は自分のスマホの画面を見せてくれた。そこには、ひとつのサイトが開かれている。

 

 

「今の時代の読書と言えば、Kindleっしょ」

 

 

 Amazon Kindle。噂には聞いたことがあった。なんでも、ネット上で本を読むことができるという。

 

 

 けれど、僕は自分には関係ないとして、情報に触れようとすらしなかった。そもそも、自分には紙の本がある。わざわざ電子書籍に切り替える理由はないと思っていたからだ。

 

 

「いやいや、使いこなせばこんなに便利なもんもないぜ? 一度でいいからやってみなよ」

 

 

「やだよ」

 

 

「なんでだよ」

 

 

「なんでって……」

 

 

 電子書籍を読むことには、なんだか抵抗があった。自分が今手に持っている本をさりげなく見下ろす。それは、紙の本に対する裏切りのようにも思えたのだ。

 

 

「じゃあさ、Kindleを使った方がいいことってなんだよ。納得したら、もしかしたら紙の本じゃなくてそっちを使うかもね」

 

 

「よし来た! いいだろう、電子書籍の良さってやつを教えてやるさ」

 

 

 彼は意気込んだように笑うと、彼自身のKindleの画面を見せてくれた。そこには、何冊もの本のタイトルがずらりと並んでいる。

 

 

「まずは見ての通りだ。本って重いだろ。荷物になるし、五、六冊でも持ってたら、持ち運ぶのすら筋トレになるくらいだ」

 

 

 その点、電子書籍は。

 

 

「こんなに軽いのに100冊なんて目じゃないくらいの本を持ち歩けるんだ。まず、これが一番大きな利点だろうな」

 

 

「ふむ」

 

 

 たしかに。その点は僕にも納得できた。僕は本を三冊持ち歩くことがあるけれど、いつも重くてかなわない。肩が筋肉痛になってしまった。

 

 

「そうだね。その通りだ。でも、それだけじゃあ、Kindleを使う理由にはならないかな」

 

 

「強情なやつめ。そうだな、じゃあ、本を手に入れる時の利点を説明してやろう」

 

 

 彼は本を買う画面を開いて、それを僕に見せた。その本を見て、僕はあることに気付く。

 

 

「随分と、安いね」

 

 

「そうだ。Kindleは紙の本と比べて安いのさ。おまけに、わざわざ本屋が開いている時に行かなくても、いつでもどこでも購入できる」

 

 

「なるほど、ね」

 

 

 いつでも買えるのはたしかに便利だ。僕らの地元には本屋がない。本を買うには、少し遠くまで行かないといけなかったのだ。

 

 

「でも、最近は僕、本買わないからなぁ……」

 

 

 近頃は図書館や図書室で本を借りるようになった。以前の僕なら嬉しかったかもしれないけれど。

 

 

「じゃあ、これだな。実はこのKindleには便利な機能がたくさんあるんだ。好きな本を見つけたり、読むのを便利にしたり」

 

 

「たとえば、どんな?」

 

 

「んー、そうだなぁ。俺が説明するより、この本を読む方が早いかもな」

 

 

 彼はそう言って一冊の本を取り出した。タイトルには、『Kindleクリエイティブ読書術』と書かれている。彼はそれを僕に手渡した。

 

 

「貸してやるよ。これを読めば、お前もKindleの魅力がわかるだろうさ」

 

 

 彼は自信満々に言った。本当かな。僕は少し疑いながらも、せっかく本があるなら、と、そのページを開いた。

 

 

新時代の読書

 

 スマートフォンやタブレットなどの新しいデジタル機器に触れるとき、「2つの進化のうちどちらをやってくれたのか?」を確かめる瞬間がもっとも楽しみです。

 

 

 2つの進化のうちのひとつは、性能面の向上です。こちらもそれなりにうれしくはありますが、感動するほどではありません。

 

 

 もっとも興奮するのは、もうひとつの「生活のある部分を劇的に変えてくれる革新的な進化」の方です。

 

 

 この数年の間、私も数々のデジタル機器を購入してきましたが、最近は「革新的」と思えるものに出会う機会が減ったと感じています。

 

 

 そんなとき発売されたのが、Kindle Paperwhiteでした。はじめてkindle Paperwhiteで国内の書籍を読んだ時、「ああ、これは間違いなくもう一つの方だ」と確信したのです。

 

 

 性能面では他のタブレットよりもむしろ退化しています。それでも私の直感は「この小さな端末が読書体験を変えてくれる!」と感じ取っていました。

 

 

 では、なにがそんなに変わるのか? 結論から言えば、読書はもっとクリエイティブなものになります。

 

 

 筆者が記してくれた知と経験を自分なりに消化して、なんらかのアウトプットに変える。

 

 

 では、本書を通してもっと詳しくその中身をお伝えしましょう!

 

 

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