大勢の客よりもひとりの客に愛される店を『「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい!』高田靖久
たったひとつ。たったひとつ、変えただけで、こんなにも大きく変わるとは、思ってもみなかったのです。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
たったひとつ。たったひとつ、変えただけで、こんなにも大きく変わるとは、思ってもみなかったのです。
幼い頃、私は誓った。この世にあるすべてを手に入れよう。そうすれば、きっと私は幸せになれるから。
あの瞬間のことを、今でも夢に見る。目が覚めた時はいつも汗で濡れていて、サイレンの音を、遠くに聞くのだ。
人の心はよくわからない。けれど、だからこそ、私はそれを知りたいと思っていた。
なんでそんな細かいところを気にするの。友人から不思議そうに聞かれたその言葉が、私は今も忘れられないのです。
毎日のように、ニュースでは悲惨な事故や事件が報道されている。そんな国に、今、私は生きているのだ。
自分の見た目が嫌いだった。全身鏡を見るたびにため息を吐く。鏡に映る私の姿は、まるでドラム缶のよう。
寂しかった。ずっと、ずっと。けれど、何も上手くいかない。私はずっとひとりぼっち。今までも、これからも。
世界はより悪い方へと向かっている。私はそう信じていた。それが間違っていると教えてくれたのは、一冊の本であった。
大人は子どもを良い方へと導こうとする。けれど、子どもは意外と賢くて、大人が思っているよりもずっと、いろんなことをわかっている。