人生を変えるガネーシャの教え『夢をかなえるゾウ』水野敬也
変わりたい。何度もそう思っては、挫折してきた。もっと時間があれば。もっと余裕があれば。言い訳の言葉は、壁にぶつかって消えていくだけ。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
変わりたい。何度もそう思っては、挫折してきた。もっと時間があれば。もっと余裕があれば。言い訳の言葉は、壁にぶつかって消えていくだけ。
私は途方に暮れて立ち尽くしていた。私の手の中にある羅針盤の針は、くるくると回るだけで、どこも指示してはくれない。
ああ、どうしよう。どうしたものか。私は頭を抱えた。胸の中で最悪の想像がいくつもぐるぐる回っている。
気がついた時には何もかもが遅かった。危機感を覚えた時にはすでに、私の懐にはどうしようもない借金だけが残っていた。
寂しい人。最後に別れた彼女は哀れみの目で私を見ていた。その通りだ。私はその言葉を、言い返しもせずに受け止めた。
「ここにコーラがある。そこらで売っている100円の普通のコーラだ。さて、君たちはこれを1000円で売ることはできるだろうか」
二人の男がいた。二人とも私の友人たちであるが、彼らは正反対の人間だった。
カチ、カチ、カチ、カチ。時計をじっと見つめる。針の進みにしばし視線を奪われた。そうだ、バイト辞めよう。私は唐突にそう思った。
「あれ、お前、いつの間にスマホ変えたの」
「さて、質問だ。君たちは総理大臣になれるだろうか」