中間層が喰われる『国家・企業・通貨』岩村充
企業に対して疑問を抱き始めたのは、まさに自分自身がその企業に所属する従業員として就職してからのことだった。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
企業に対して疑問を抱き始めたのは、まさに自分自身がその企業に所属する従業員として就職してからのことだった。
「日本は相手への通告もなしにハワイの真珠湾を攻撃しました。これが太平洋戦争の始まりでした」
感染症の波が猛威を振るっている中で、小泉政権以来の長期政権となった安倍晋三氏が総理大臣を辞したのは、未だ記憶に新しい。
僕は絶望した。僕たちの未来にあるのは果てしなく長い命。その長い階段は、いつになったら終わりになるのかすら、わからない。
今まさに、世界の国の中でも中国が大きく注目されている。ニュースで中国にまつわる話題をよく見かけるようになった。
自由になりたい。家事をしながら、私ははあと深くため息を吐いた。水道の音に紛れて、部屋でテレビを見ている夫には聞こえないように。
世の中には誘惑が多すぎると思う。ああ、きっと現代に釈迦が生まれていたのなら、彼は悟りなんて開けなかったんじゃないだろうか。
僕はペンを持ったまま、動けなかった。机の上に置かれた進路希望調査票。その欄の中は、まだ空白のままだった。
今、アメリカは熱狂している。ジョー・バイデン氏とドナルド・トランプ氏。新たな時代が再び、始まろうとしていた。
甲高い泣き声が頭に響く。それはまるで、私に向けた糾弾であるかのようだった。ああ、もう何度、この愛する我が子を憎らしく思ったことだろう。