神様に愛されるコツ『「そ・わ・か」の法則』小林正観


「トイレ掃除は金を払ってでもさせてもらえ」という言葉がある。当時の私は、その言葉には懐疑的だった。そんなの、面倒臭いだけじゃないか。金も払って、時間も失う。悪いことずくめだ。そう思っていたのだ。

 

私は長い間、その言葉が大人が若者を上手く扱うための、一種の方便であると信じてきた。だが、大人になってから知ったのは、その言説に近いことを言っているビジネス書が、思いのほか多いのだということである。

 

小林正観先生の著作『「そ・わ・か」の法則』もその一冊だ。先生の著書の中では有名な本であるらしい。といっても、この本でトイレ掃除を勧めている理由は、またちょっと他のビジネス書とは違うところがある。

 

まず、「そ・わ・か」とは何か。先生はこれを、「掃除」の「そ」、「笑い」の「わ」、「感謝」の「か」だと言っている。

 

そして、これらが何かというと、神様がもっとも好むものなのだ、と。そして、これらの行いをよくしている人に、神様はチャンスや幸運をあげるのだと言っている。

 

本当かなぁ? と、まあ、そんなふうに思う気持ちも分かる。私も読みながら、ちょっと宗教じみてきたなと感じていたし。

 

ただ、それが正しいかはともかくとしても、たしかにどれもやって悪い印象はない。それに、ひとりでもできるし、お金もかからない。「とにかくやってみて」と勧めるのもわかる気がする。少なくとも、悪い結果になるということはないだろう。

 

「そ・わ・か」が神様に愛されるかどうかというのは、私はわからないけれど、ただ、それらが成功者のビジネス書や言葉に、不思議と重なるところがあるのは面白いことだと思う。

 

よく笑う人は他の人からの覚えもよく、よく感謝する人を嫌う人はいない。そして、「トイレ掃除は金を払ってでもさせてもらえ」とは言葉通り。

 

と、いうことは、もしかして、それらを実践している人たちが成功しているのは、神様に好かれたから? かはともかくとしても、成功者に共通しているのは、確かであるらしい。

 

昔、小学校の頃、トイレ掃除は嫌われる掃除場所のひとつだった。だから、その場所の担当になった時は「ああ、嫌だなぁ」なんて思ったものだけれど。

 

ただ、当時の私は、それを続けていくうちに、そんなに嫌いではなくなっていた。何より、一人なのがいい。静かに、自分の作業に没頭していると、次第に楽しくなってくる。

 

今でも私は、好きというわけではないけれど、トイレ掃除を嫌っているわけでもない。ただ、きれいになると気持ちもスッキリするのは確かだ。

 

この本に書かれていることが本当のことか、わからないけれど、実践してみようと思った。それが悪いことにつながることは、まずないだろうし。

 

簡単で、お金もかからず、今すぐにでも行動に移せる成功の秘訣。今の人たちはそんな迂遠な方法を嫌うのかもしれないけれど、何事もまずは、地道な一歩から始まるのだと、この本は教えてくれる。

 

 

神様に愛される法則

 

私が長年「神が、人間の為す行為の中で好きなものはどんなものだろう」と思い、調べていたところ、「そ・わ・か」の三文字に行き着きました。「掃除」の「そ」、「笑い」の「わ」、「感謝」の「か」です。

 

人間の行いの中で、神が好むベスト・スリーが、この「そ・わ・か」らしいのです。これらの三つの行為を続けている人間を、どうも神様が応援しているように思えます。

 

まずひとつめ。神様は「きれい好き」らしい。「きれい」には三種類あって、「姿かたち」がきれいな人を神様は支援・応援する。「姿かたち」には立ち居振る舞いも含まれるようです。

 

二つ目は、心が美しい人。しかし、どういう人が心の美しい人かとなると、決めるのが難しい。

 

さらに、三つ目は「水回り」や「身の回り」をきれいにしている人。一つ目の「姿かたち」でも、二つ目の「心」でも勝負できないと思う人は、三つ目の「まわり」をきれいにすることで勝負できそうです。

 

「そ・わ・か」の二番目は「笑い」です。「笑い」とは何でしょうか。それは、肯定すること、受け入れること、共鳴、共感することなのです。

 

「そ・わ・か」の三番目は「感謝」です。「ありがとう」の言葉を言っているだけでいろいろな奇跡が起こるようです。

 

「とりあえず、すぐにとりかかれる幸せを呼ぶ方法」を求めている人は、何も考えずに「そ・わ・か」の実践をされることを勧めます。

 

この「そ・わ・か」の実践には、素晴らしい共通項が二つあることを付け加えておきましょう。

 

ひとつは、いつでも一人でできること。場所と時を選びません。仲間がいなくても、いつでも「実践」できるのです。

 

もうひとつは、お金がかからないこと。掃除も笑いも感謝も、お金がかかりません。無料です。

 

だから、「なぜ?」などと考えている暇があったら、一分でも二分でも早く、「実践」した方がよさそうです。やれば結果が生まれます。

 

「実践」が「結果」を生じるのです。実践すれば必ず、楽しく面白い現象が生まれます。やってみて、ぜひ楽しい時間、楽しい日々を味わってみてください。

 

 

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