魔法少女斧乃木ちゃん『愚物語』西尾維新
彼女は愚かである。そして、彼女が愚かなことは、彼女以外のクラスメイトの誰もが知っていた。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
彼女は愚かである。そして、彼女が愚かなことは、彼女以外のクラスメイトの誰もが知っていた。
鏡の中の世界、という別の空間の存在を、私は子どもの頃、たしかに信じていたものである。
「さて、この物語の犯人は、いったい誰だろうね」
ふと、壁にかけられた日めくりカレンダーを眺める。白い紙にかわいらしい猫のイラストが描かれていた。
どうしてこうなったのだろう。私は呆然自失としたように脱力して、救いを求めるように天を仰いだ。
「世の中、賢く立ち回ってこそ、人の上に立つことができるのさ」
憧れの王子様に出会うため! 恋する乙女、笠原郁の初陣 かつて、学生だった笠原郁は検閲権を持つメディア良化委員会に本を取り上げられそう...
私は正直者である。今までの生涯で一度も嘘をついたことはない。
「何か、ぼくに隠していることが、あるんじゃないかな」
吾輩は狸である。名前はまだない。人間の姿で、日がな一日を気ままに過ごしている。