幼女に転生した男が軍人として怖れられる『幼女戦記』カルロ・ゼン
「戦いたくない、なんて言えないよな」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「戦いたくない、なんて言えないよな」
「もしも、ずっと生きていける身体にしてあげるって言われたら、どうする?」
「もし、わしの味方になれば、世界の半分をやろう」
私は、なんて、とんでもないことを。先生からの話を聞きながら、私は頭を抱えた。
私は満開の桜の木を見上げて立ち尽くしていた。白い花びらが雪のように私を囲んで舞い散っている。
青春、なんて聞くとやたらと輝かしい、眩しいもののようにも見えるのだけれど、いったい誰が言い出したのだろう。
おそるおそるフラスコを傾けて、中で揺れている透き通った液体を試験管の中に流し込む。
恋人と大喧嘩をした。これほどまでに激しい喧嘩になったのは、本当に久しぶりのことである。
あーあ、もうひとり、私がいてくれたらいいのに。なんて、私はそう願った。願ってしまったのだった。
それは昔々の物語。はるか遠くの国の、あるところに、ひとりの王子がおりました。