天才物理学者の前に立ちはだかる完全犯罪『聖女の救済』東野圭吾
「完全犯罪ってのは、可能だと思うか?」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「完全犯罪ってのは、可能だと思うか?」
科学は嫌い。私の生活が科学によって支えられていることは理解している。けれど、そのうえで、私は科学が嫌いなのだ。
今年の本屋大賞は――。華々しい文字が目につく。私はそのキラキラしいフォントに惹かれて、思わずその本を手に取った。
大崎梢先生の『晩夏に捧ぐ』という作品が大好きです。それは、あの子が好きな作品だったから。
過去に一度だけ、スキー場に行ったことがある。一面の銀世界。雪の降らない地域で生まれ育った私は、その時初めて視界いっぱいの雪を見たのだ。
これはゲームだ。彼と私の、知恵比べ。彼が私を見つけられれば勝ち。私が隠れ切ることができれば、私の勝ち。
胸に抱え込んだ本の中から、ひとつを、本棚に差し込んでいく。書店員として眺める書店の本棚は、客として眺めているものとは違う光景に見えた。
私の友達は、ちょっと変わっている。いや、ちょっとどころではないかもしれない。わかりやすく言うなら、変人だということだ。
ネオンが往路を埋め尽くしていた。水色や、黄色や、けばけばしいピンクが明滅を繰り返している。
昔、かわいい女の子がおりました。彼女はいつも赤いビロードの頭巾を被っていたので、みんなから「赤ずきん」と呼ばれていました。