今まさに、世界の国の中でも中国が大きく注目されている。ニュースで中国にまつわる話題をよく見かけるようになった。
世を賑わせている感染症は中国から広まったと言われているらしい。しかし、世界各国が対応に苦しむ中、中国は巧みに対応し、いち早く経済を回復させたのには感心した。
そんな中国は昨今、目覚ましい経済発展を遂げていて、今やどの国も無視できない経済大国となっている。
かつて「眠りの獅子」と怖れられ、戦時中は「張子の虎」と揶揄された中国が、とうとう目覚めたようにも感じる。
世界各国で活発に活動を続けている中国人たちの行動力は凄まじく、私も大学では何人かの中国人と知り合った。
国境を越えて活躍する彼らは、勤勉で、頭がよく、誠実で気持ちの良い人柄をしていた。日本人よりも丁寧な日本語で、日本の文化を愛する心も感じられた。
しかし一方で、ニュースで報じられる中国人の姿はしばしば、モラルに薄く、貪欲で、節操がない。
人口が多ければ、それだけ個性がある。世界でもっとも人口の多い国。では、その国を率いているのは誰だろうか。
習近平という人物がいる。写真で見る彼の顔はさして特徴の希薄な、一見穏やかな中年の男性である。しかし、この人物が今の中国を率いる最高指導者だ。
とはいえ、私はこれまで彼の名前を知っていても、彼が現在の中国の最高指導者であることを知らなかった。
中国の話題はニュースで見ても、習近平主席の姿はあまりメディアには登場しない。日本人からしてみれば、彼の姿は霧中に見るかのように曖昧模糊としている。
私がその輪郭を辿ってみようとしたのは、ある一冊の本を読んだからだ。『習近平の肖像』というタイトルである。
読む前に、私はネットで彼についてのことを調べてみた。「政治の腐敗を嫌い、穏やかな気性で、人の意見をよく聞く人物」と書かれている。
しかし、『習近平の肖像』に描かれている彼の姿は、まったく異なっていた。まさしく正反対といってもいいくらいだろう。
ネットを信じるか、本を信じるか。今まで曖昧だった彼の姿は、暴き出そうとすればするほど、ますます霧の奥へと潜んでしまったように感じる。
その本には、習近平主席の生涯、そして政策についてが書かれていた。評価はどうあれ、なんとなく理解できるくらいにはわかりやすい。
かつて、歴史上において様々な関係を日本と築いてきた中国。時には友として文化を交換し合い、時には敵として刃を交えた。
その長い歴史を隣人として過ごしながら、現在までどちらの国も生き抜いている。
現在の日本と中国の関係は、微妙という他ないだろう。中国の中にもさまざまな意見があって、日本が好きという人もあれば、嫌いという人もいる。
習近平がどのような人物か、私にはよくわからない。彼の政策が良いことか、悪いことかすら、私にはわからないのだ。
けれど、中国から感染症が広まったのは事実。そして、それをいち早く対処して収めたのも事実。
そして、中国が今やアメリカにも及ぶほどの経済大国となり、今もなお成長を続けているというのもまた事実なのだ。
彼に対して批判を言うつもりもなければ、称賛するつもりも特にない。中国という国に対する嫌悪も評価もない。
ただ、私は中国の、何年も続けられてきた美しい文化を愛しているし、中国から学べることは多いだろうと思っている。
少なくとも、私は何人か、素晴らしい中国人を知っているのだ。メディアでなんと言われていようとも、それだけで充分じゃないだろうか。
習近平の素顔
東アジアと世界の今後を占う上で、中華人民共和国の動向から目が離せません。もっとも人の多い国。人権問題が指摘されるのも、守られるべき人権がたくさんあるからです。
改革開放経済以降、飛躍的な経済発展を遂げた中国には、急激な近代化と国力の増大で、世界経済への影響力が無視できないほど高まりました。
他方で、現在でも中国共産党の一党独裁支配が継続しており、共産党の決定が全てを決める体制は基本的には変わっていません。
経済、社会、法、文化、メディアまで、すべてに党の支配と影響が及んでいます。これとどう向き合うかが、国際社会にとり最大の課題のひとつとなっています。
政治力は習近平の力が突出し、党中央の経済政策を決定する中央財経領導小組のトップをも兼任しています。
習近平個人の決定が、中国経済全般を動かし、世界経済に影響を与えるわけです。
では、習近平とはどのような人物なのでしょうか。そして今この瞬間、何を考えているのでしょう。世界が注目し、巷間さまざまなことが言われるものの、その実像はまったくわかっていません。
本書は、習近平という人物の育ちや性格と、彼の考える共産主義を総合する形で解説した、中国人による習近平研究の試みです。
本書が、日本人が習近平体制を正しく理解する一助となるよう願います。
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