軽妙に描かれるサイコホラー『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』入間人間
壊れた人間なんてのは、一見すれば普通の人間と変わらない。けれど、たしかに何かがおかしいのだ。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
壊れた人間なんてのは、一見すれば普通の人間と変わらない。けれど、たしかに何かがおかしいのだ。
「さて、この物語の犯人は、いったい誰だろうね」
ふと、壁にかけられた日めくりカレンダーを眺める。白い紙にかわいらしい猫のイラストが描かれていた。
どうしてこうなったのだろう。私は呆然自失としたように脱力して、救いを求めるように天を仰いだ。
私は正直者である。今までの生涯で一度も嘘をついたことはない。
「何か、ぼくに隠していることが、あるんじゃないかな」
私には好きな人がいます。ずっと、ずっと、私は彼のことが好きでした。
高校に通っていた頃、クラスメイトにひとり、変わった子がいたことを、今もまだ覚えています。
「もしも、タイムマシンがあったら、何をしたい?」
「あなたは、今まで生きてきた中で嫌な思い出とかは、ございませんでしょうか。いっそ、忘れ去りたいほどの」