悪役令嬢モノの女性向けライト文芸ノーベル『悪役令嬢後宮物語』涼風
彼女は悪女だと誰もが言っていた。誰もが彼女を怖れ、誰もが彼女の悪い噂を囁いていた。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
彼女は悪女だと誰もが言っていた。誰もが彼女を怖れ、誰もが彼女の悪い噂を囁いていた。
少女は空腹だった。彼女の腹には怪物がいる。その怪物は、少女の命を蝕み、唸り声をあげ、もっと食えとせがむのだった。
『廃棄世界物語』は私を奮起させるきっかけになった。文明が滅亡し、法律が意味を為さなくなった世界において私は弱者で、すべてに怯えて生きてきた。けれど、その作品は本当に大切なことを教えてくれた。誇りを持って、何もかも失っても自分だけはなくさないように。
『竜王陛下の逆鱗サマ』は私の憧れそのものでした。彼らのように甘い言葉を交わし合うように愛し合いたいと願っておりました。しかし、私が愛した人はもう私には何も囁いてはくれず、私は誰よりも嫌いな殿方のもとへと側妃として嫁ぐことになったのでございます。
ジャックにとって『カボチャ頭のランタン』は人生最後の本になるはずだった。それが嫌だったジャックは、魂を取りに来たという悪魔を捕らえ、自分の魂を取らないように契約を交わさせる。しかし、ジャックは思わぬところで自分の所業の報いを受けさせられることになる。
『リアデイルの大地にて』は憧れの世界への入り口だった。現実なんて辛いことばかり。けれど、ゲームはそんな現実を忘れさせてくれる。ディスプレイの中にはもうひとりの私がいて、別の世界が広がっている。『リアデイル』のようにこんな世界に行けたらいいのに。
私にとって『蜘蛛ですが、なにか?』はまるで自分と重なるようだった。教室に紛れ込んだ一匹の蜘蛛。逃げることもできず、残酷な運命を待つしかできなかった蜘蛛を、私は助ける。その夜、私は夢を見た。人間に生まれ変わる前の、前世の夢。かつて私が蜘蛛であった頃の夢を。
『魔導師は平凡を望む』は私に新鮮なおもしろさを与えてくれた。小説投稿サイトのランキングには似たような作品ばかりで飽き飽きしていた私は、彼女が見つけたその作品を読んでみる。最初は他のと同じようなテンプレ作品だと思ったけれど、それはどこか違っていた。
さき先生の『ふたりぼっちの聖騎士団』は、私にとって学びを得るためのものだった。伝統だから。昔から続けてきたから。みんながやっているから。そんな理由で彼女はいじめられていた。その光景を見て、私は疑問を覚える。その伝統は、本当に正しいのだろうか、と。
clamamus先生の『心象エスキル』は、私にとっての教科書だった。ネット小説を書いていることが親友にばれてしまったけれど、親友も実は書いていて、しかも私よりもよほど先を行っていた。そんな彼女から『心象エスキル』を教えられて、私は決意を新たにする。