アウトプットが現実を変える『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑


 私はいろいろな物事を知ることが何よりも好きであった。私よりも広範な知識を持っているのはそうそういないだろう。

 

 

 時間があればテレビを見て、本を読み、ネットを開いて気になることを調べた。友人から多くの話を聞いたし、教師にもわからないことは徹底的に質問した。

 

 

 おかげで私はこれほどまでに世の中に詳しくなった。何を質問されても胸を張って答えられるだろう。

 

 

 それなのに、なぜ何事もうまくいかないのか。

 

 

 私は博識な知識人のはずだ。この虚栄心を満たすために、私は何でも知ろうとしたのだ。

 

 

 なのに、質問されても咄嗟には答えられず、思い出しているうちに質問者は諦めていく。

 

 

 私の頭は貴様のそれよりも多くの情報が入っているのだ。検索に時間がかかるのも致し方ないことではないか。

 

 

 知りたいならばその程度の時間の浪費ぐらい我慢すればよいだろう。私はそう嘯いていた。

 

 

 あらゆることを知ったならば、人から尊敬されるだろうと思っていた。しかし、返ってきたのは侮蔑と忌避の視線だけであった。

 

 

 私は間違っていたのだろうか。知識人となることこそ、世の中の人の中でも上位に立てるのだと信じていた。

 

 

 私は途方に暮れたまま、日課の本屋へと繰り出した。並んでいる本をじっくりと眺め、どの知識を得ようかと考える。

 

 

 ふと、目についたのがあった。『アウトプット大全』という本である。

 

 

 私は知識を人に伝えることを軽蔑していた。知識は高価値であり、無料で人に伝えるのは愚かだと考えていたからだ。

 

 

 だから、私がその本を手に取り、ページを開いたのは、半ば試す気持ちがあったのだろう。

 

 

知識は集めるのではなく使え!

 

 私は本を小脇に抱えて家を出た。今まで得てきた知識を思い出す。しかし、朦朧とした輪郭だけがぽっかりと浮かんでいた。

 

 

 この知識を誰かに伝えないといけない。私は切にそう思った。でなければ、今日この本から得た知識すらも霧のように消えてしまう。

 

 

 ツイッターはどうか。ブログでもいい。いっそセミナーでも開いて。友人に話すか。ノートに書くとしよう。

 

 

 頭の中に手段が浮かんでは消えていく。情報社会においてアウトプットの手段には事欠かない。

 

 

 知識は集めるだけでは意味がない。知識には紛れもなく消費期限があるのだ。過ぎれば、それは記憶の奥底に沈んでいく。

 

 

 聞かれたときに咄嗟に出てこないのも納得がいく。私は覚えたつもりでいて、実のところはちっとも覚えていなかったのだ。

 

 

 頭の中にとどめるだけでは駄目だ。吐き出していかないと、私の頭は古い倉庫も同じようなものになる。

 

 

 今ならばわかる、私は怠惰だった。知識を出し惜しんだことはその知識を無駄にしたも同然だ。

 

 

 行動しなければならない。私は久しく動かしていない手も足も動かした。動くのは苦しい。しかし、苦しさすらも今は心地よかった。

 

 

 長年集めてきた知識によってでっぷりと肥えた手足が震える。それは武者震いだろうか、それとも。私の中で溜め込んできた知識の水が外に出たいと脈動していた。

 

 

インプットとアウトプット

 

 多くの本を読んだり、セミナーを受講していたりして、多くの情報をインプットしても、アウトプットの方法を間違えていると自己成長できません。

 

 

 結果を出し続けている人はインプットよりもアウトプットを重視しています。

 

 

 インプットの学びだけでは現実は変わりません。インプットした知識をアウトプットすることで、初めて現実に活かすことができるのです。

 

 

 「読む」や「聞く」はインプットとなり、「書く」や「話す」はアウトプットになります。インプットすると知識は増えますが、現実が変わることはありません。

 

 

 一方、アウトプットは行動です。アウトプットして初めて、現実世界に対して変化や影響を与えることができます。

 

 

 いくら知識をインプットしても、アウトプットしない限りはそれが記憶として定着することはありません。

 

 

 多くの人はわかったつもりになっているだけです。インプットはただの自己満足であり、自己成長はアウトプットによって促されます。

 

 

 2週間で3回以上アウトプットすると、長期記憶として残りやすくなります。何度も使うことで、ようやく定着するのです。

 

 

 すなわち、インプットとアウトプットを繰り返していくことで自己成長の効率は良くなります。

 

 

 インプットしてアウトプットする。このサイクルを繰り返すことが大切です。インプットとアウトプットは3:7が理想とされています。

 

 

 このように、アウトプットには多くのメリットがあります。アウトプットすることで、人生はより豊かなものになるでしょう。

 

 

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