自称宇宙人との邂逅から始まる『電波女と青春男』入間人間
「第十五惑星から来ました。よろしくお願いします」
「第十五惑星から来ました。よろしくお願いします」
宇宙人も、未来人も、超能力者も、そんなものは存在しない。誰もがそう言って男を嗤った。
私は真面目な人間だった。言われたことを寸分違わずその通りに、完璧にこなさなければならないと考えていた、杓子定規な人間だった。
私は生まれた時から、どうやら欠陥品であったようなのです。だからこそ、誰もが嫌がるそれを、私は誰よりも欲しかったのです。
あの日、私は囚われてしまった。この、茹だるような日差しが強く照り付ける暑い夏の日に。
がんばらなくちゃ。私はいつもそう思っていた。その言葉通り、私はがんばった。そして、今。私は学校にも通わずに家にひきこもっている。
「正義とは、なんだろうか」
空っぽになった病室を、私は呆然と眺めていた。整えられたベッドを見て、ぼんやりと思う。もうここに、彼女はいないのだ、と。
「君がそんな冗談を言うなんて、明日は槍でも降るかもしれないね」
それはひどく簡単な、誰もが持っているような願いだった。けれど、どうやら、それすらも、私の手には余るらしい。