商売と恋の旅『狼と香辛料』支倉凍砂
荷馬車を引く馬の蹄の音が土を蹴る。遠くに見える都市はまだまだ遠く、私は思わずため息を吐いた。
荷馬車を引く馬の蹄の音が土を蹴る。遠くに見える都市はまだまだ遠く、私は思わずため息を吐いた。
私は何になりたかったんだっけ。まるでそれは暗い夜道で一人っきりで突っ立っているように。
とりあえず、どんなところでもいいから仕事に就いて、適当に働けばいい。あの頃のぼくは、そんなことを考えていた。
誰もがその存在を天使だと讃え、その美しい声に涙していました。けれど、私は彼を怪物だと思うのです。
突然、教室に宇宙人でも入ってこないだろうか。授業中、いつでも私はそんなことを考えていた。
僕は最低な人間だった。いろんな人を傷つけた。だから、誠実であろうと思った。僕が誠実でさえあれば、誰も傷つかないと、そう思っていたのだ。
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