犯人は嵐が丘の幽霊？『”文学少女”と飢え渇く幽霊』野村美月
「亡くなった人を蘇らすことは可能だろうか」
文学少女が太宰治の名作を読み解く『文学少女と死にたがりの道化』野村美月
恥の多い生涯を送ってきました。なんて有名作品の冒頭を踏襲して言ったところで、私の文章が太宰になるわけでもあるまいに。
プリンスの正体は？『ハリー・ポッターと謎のプリンス』J.K.ローリング
「君は『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を読んだことがあるかな？」
カメラに写されるもうひとつの世界『心霊写真レストラン』松谷みよ子
カメラを向けると、彼と彼女は笑顔でピースをする。はい、チーズ。私はカメラのシャッターボタンを押した。フラッシュが一瞬だけ輝いた。
誰もが疑う中で真実だけを信じ続ける『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』J.K.ローリング
嘘つき、と。先生も、クラスメイトも、彼女のことをそう言って責めた。違うと必死に否定する彼女の声は、誰のもとにも届かなかった。
最後の蝋燭を消した時、本物の怪異が現れる『百物語レストラン』松谷みよ子
小さな部屋に私を含めた四人が集まっていた。暗い部屋の中で、百本の蝋燭の灯りが、彼らの陰を浮き彫りにしている。
魔法学校の対抗戦の裏で陰謀が蠢く『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』J.K.ローリング
私は選ばれた。教師の隣りに立ち、正面を見据えると、多くの視線が私を突き刺した。
目を離したその瞬間、彼の姿は消えていた『神かくしレストラン』松谷みよ子
これは私が幼い頃の話である。幼い頃、私は山の上に棲む天狗と会ったことがあるのだ。
行く先々で姿を見せる黒い犬の影『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』J.K.ローリング
どこか遠くから犬の吠える声が聞こえた気がした。それはただの幻に過ぎないというのに。