新海誠ワールド全開!『小説 君の名は。』新海誠
ある朝、私が目を覚ますと、見覚えのない部屋にいた。自分の身体を見下ろして驚く。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
ある朝、私が目を覚ますと、見覚えのない部屋にいた。自分の身体を見下ろして驚く。
「ん~、ほっぺた落ちそうやあ。相変わらずあんたはとろいくせにお菓子作りだけは逸品よなあ」
今、ここにひとつ、告白しましょう。私は兄のことを愛していました。兄をひとりの男性として見ていたのです。
彼女と私は友だちだった。ずっとずっと昔から、私と彼女は一緒にいた。私は彼女のことが大好きだった。
彼らのような人たちのことを、『主人公』と呼ぶのでしょう。歓声を受けながら笑顔を絶やさず歩く彼らを、私はそんなことを思いながら眺めておりま...
現実なんて嫌だ。ゲームの世界に入れたらいいのに。そんなことを考えていたから、こんなことになってしまったのだろうか。
「この部活は何をするところなんですか?」
いつだって、俯いて歯を噛み締めていた。悔しい。けれど、ぼくは抗う術を知らなかった。
「第十五惑星から来ました。よろしくお願いします」
宇宙人も、未来人も、超能力者も、そんなものは存在しない。誰もがそう言って男を嗤った。