オトナ女子の必読書『オトナ女子の不調をなくすカラダにいいこと大全』小池弘人


 はぁ、と、思わずため息が零れた。最近、肩こりがひどい。ストレスかな。仕事の疲労がずっと残っているような気がする。

 

 

 部屋の鏡に、疲れ切った女の顔が映っていた。実年齢よりも数年ほど老けたような印象だった。肌も心なしか荒れている。

 

 

 お風呂でも入って、すぐに寝よう。明日も仕事だし。重い身体を持ち上げて立ち上がり、風呂場に向かう。

 

 

 今日は寒かったから、身体が冷えている。いつもみたいに呑む元気もない。とにかく早く布団に入りたかった。

 

 

 布団にもぐりこむ前に、部屋の隅に置いてある本棚をじっと眺める。何を読もうかなと迷っていた。

 

 

 いつも、寝る時には布団にもぐりこんで本を読む。誰にも邪魔されないこの時間が、私の癒しだった。

 

 

 背表紙を眺めていると、ふと、見覚えのない一冊が見えた。引っ張り出してみると、『オトナ女子の不調をなくすカラダにいいこと大全』という本だった。

 

 

 そんな本を持っていた記憶はない。けれど、ふと記憶に蘇ったのは、先週友だちと会った時のことだった。

 

 

「あんた、どうしたの? 顔色やばいよ」

 

 

「ん、大丈夫だよ。ちょっと疲れが残ってるだけで」

 

 

 私が笑ってそう答えても、彼女は真剣な表情を崩さなかった。それくらい、その時の私の顔色はひどかったのかもしれない。

 

 

「あ、そうだ。これ貸してあげるから、試してみるといいよ」

 

 

 そう言って彼女が渡してきたのが、『カラダにいいこと大全』だった。なんでも、身体の調子を良くするための健康法みたいなものが書かれているらしいけど。

 

 

「割と効果あるから、騙されたと思って試してみなよ。実はあたしもやってるんだけど、始めてからずっと調子いいんだよね」

 

 

 そう言う彼女の表情はたしかに元気そうだった。それだけでなく、きれいになったようにも思う。

 

 

「次会った時に返してくれたのでいいよ」

 

 

 別れ際、彼女はそう言っていた。でも結局、なかなか予定が合わなくて会えないままでいる。この本はその時に借りたものだった。

 

 

 けれど、その後すっかり忘れていて、うっかり本棚にしまったままになっていたらしい。

 

 

 せっかくだから、と思って、今日の読書はこれにすることに決めた。本を持って、ベッドに寝転んで布団を被る。

 

 

 最初は友だちへの義理もあって読んでおこうかな。くらいだったのだけれど、読んでいくうちに、「これは今度やってみようかな」と思っている自分を見つけた。

 

 

 その本によると、身体の調子を整えるには、四つのポイントが必要になるらしい。

 

 

 バランスの取れた食事。適度な運動。身体を冷やさないこと。そして、ストレスを減らす。

 

 

 読んでいると、健康とはまったく相反する行動を自分が今まで繰り返していたことに気が付いた。

 

 

 食事は簡単なカップラーメン。ストレスが溜まった時はお菓子を食べたりドカ食いをしたりしていた。

 

 

 運動は嫌いで、ここ数年身体を動かしていない。身体を温めるということも、そこまで意識していなかった。

 

 

 ストレスも多い。精神的な疲れが身体に出ているような気がする。けれど、私は身体の不調は全部、私自身が招いていたことだと知った。

 

 

 身体の不調なんて仕方がないことだと思っていた。でも、その本に「治すことができる」と言われたのを見て、前向きな考え方がふつふつと湧いてくるのを感じた。

 

 

 明日から、やってみよう。もうその時には、友だちの言葉じゃない、私はその本そのものを、なんだか信じてみようという気になった。

 

 

カラダの調子が悪いあなたへ

 

 休むほどじゃないんだけど、調子が悪い。それに、なんだかいつもだるい。頭が痛い時、いつも鎮痛剤を飲んで、抑えてきた。

 

 

 肩こりに、首こりに、というか、全身がこっている感じ。肌もあれやすくなったし、擦り傷も治りにくくなってきた。毎日、疲れが取れないし、ナーバスになることも増えた気がする。

 

 

 女子ってなんだか、毎日、生きにくい。まあ、しょうがないか。

 

 

 ――でも、あきらめないで。人間のカラダは、日々、細胞が入れ替わっている。だから、手をかけてやればやるほど、元気になれる力、再生できる力を持っている。

 

 

 カラダを温め、バランスの良い食事を心がける。カラダを動かし、心を整える。こんなふうにシンプルなコツを続けるだけでカラダは自然に本来の力を取り戻していく。

 

 

 大事な人を愛するように、小さい子どもを慈しむように、自分のカラダと向き合ってみてほしい。

 

 

 「今のカラダ」をつくるのも、「未来のカラダ」をつくるのも、あなただけにしかできないこと。

 

 

 自分のカラダは自分で守りましょう。あなたは、もっとあなたらしく生きられるはず。

 

 

 そもそも、健康な状態とは何でしょう? 実は、「健康の正解」なんて存在しないのです。

 

 

 ただ言えることは、全身の細胞がしっかり機能していること。これが健康の基本中の基本です。

 

 

 そのためには、スムーズな体内循環にしてあげましょう。要は「滞りをなくし、血の巡りをよくすること」が大事なのです。

 

 

 薬に頼れば一時的に症状は治まりますが、根本的な解決にはなりません。自分で自分のカラダを治そうとするパワー、つまり自然治癒力を高めるのです。ポイントは4つ。

 

 

 1.カラダを温めること

 

 2.バランスよい食事をすること

 

 3.カラダの滞りを流すこと

 

 4.心の滞りを流すこと

 

 

 逆に「冷え」「偏った食」「運動不足」「偏った思考」、これらに陥らないことが健康につながります。

 

 

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