ライティングを要点を絞って効率よく学べる『1時間でわかる Webライティング』ふくだたみこ、さかたみちこ


俺は頭を抱えたくなった。ブログを良くするために、Webライティングを学ぶと決めて数日。バイトがにわかに忙しくなって、勉強する暇もない。

 

このままでは、学ぼうというやる気まで削がれてしまう。自分自身の意思の弱さは自覚していた。忙しさを言い訳に、学ぶことを諦めてしまう未来が見える。

 

本を読むにも時間が必要だ。だが、バイトで疲れ切った状態で読んでも、頭に入ってくるわけがない。ページを開くことすら億劫な日もあった。

 

どうにかしなければ。焦燥感が俺の心を急き立てるが、ひっきりなしに入ってくるバイトはどうしようもない。ただただ時間だけが過ぎていく。

 

ブログの更新だけは意地だけで毎日続けることがどうにかできているが、このままではそのやる気にすら影響しそうだった。

 

そもそも、Webライティングを学ぼうというきっかけがブログだった。学ぶ時間がないと、今までのブログのやり方から何も変わらないままで終わってしまうかもしれない。

 

思い出すのは、二年間も続けているのに、未だに大きな進展もない俺のブログの状況だ。より良いものにしなければ。そのつもりで、学ぼうと考えたのだ。

 

いっそのこと、バイトを入れないでおけば、時間はできる。いや、だが、それだと生活費が間に合わない。分s尿のために生活ができなくなるのは、本末転倒だろう。

 

そんな俺の目に光明が見えたのは、先日、Webライティングを学ぶために図書館からまとめて借りた本の中にあった一冊である。

 

そのタイトルを、『1時間でわかるWebライティング』といった。ふくだたみこ先生とさかたみちこ先生が書いているらしい。

 

1時間。俺の心を惹いたのは、何よりも、その時間だった。たったの1時間でWebライティングが学べるのなら、これほどありがたい話はない。

 

しかし、俺は不安だった。Webライティングはそこまで簡単なのだろうか。1時間で、充分に学ぶことはできるのか。

 

バイトが終わった後、やるべきことをひとしきり終えて、どうにか俺は1時間の自由な時間を作り出した。そして、その本で果たして十全に学べるのかどうか、その答えを知るためにも、本のページをめくる。

 

先日読んだ『Web文章の書き方入門教室』という本は、まさに初めてWeb文章を書く人のための入門書といった感じだった。

 

大事な点がわかりやすく、理解がしやすい。学ぶには最適だろう。そして、『1時間でわかるWebライティング』は、その要点をさらに絞り込んだような内容だった。

 

文字数が少なく、図解なども使って説明してくれており、気が付けば次から次へとページが進んでいる。なるほど、1時間というのも間違いではないだろう。

 

しかし、文字数が少ないからといって、不足しているかといえばそんなことはない。むしろ、要点を絞られているからこそ、より簡潔に、より理解しやすく書かれている。

 

読み終わって、ふと、時計に視線を移した俺は驚いた。本当に一時間すら経っていない。時間を意識しないほどスラスラと読めて、それでいて読むのが苦痛というほどに難しくもない。

 

とはいえ、書かれている内容は『Web文章の書き方入門教室』と近しいものがあった。とすれば、どちらか片方だけを読んだのでも、充分だったのではないか。

 

いや、そうじゃない。それぞれの良さがある。両方読んでも、決して損をするようなことではない。要点が絞られているこの本を読んだからこそ、『入門教室』の大切なところをより理解できるようになった。

 

『Webライティングの書き方入門教室』はWebライティングをこれから学び始めようとしている初心者向けの一冊だ。解説が丁寧で、基本からしっかりと学ぶことができる。

 

対して、『1時間でわかるWebライティング』は、Webライティングを学びたいけど時間がない、まさに俺のような人間のための本だろう。

 

パッと学ぶには『1時間でわかるWebライティング』で、そこからより詳細を知りたい時は『Webライティングの書き方入門教室』で。

 

自分の求めている知識や技術と、自分自身の状況を見比べて、どちらを選ぶか、あるいはどちらも読むかを選ぶといいかもしれない。

 

今日もまた、バイトだ。だが、今まで胸中に渦巻いていたような焦燥感は、今はなくなっている。

 

それはやはり、あの本を読んだからだろう。時間がなくとも、一歩一歩、着実に、俺は前に進んでいる。そう感じることができるのだ。

 

 

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