人生で役に立つ法律を学ぼう!『ライフステージから学ぶ法律入門』吉田稔/北山雅昭/渡邉隆司


私は法律に関してはまるで無知である。そして、これまでは知らなくても構わないだろうと考えていた。その考えを改めたのは、つい先日のことである。

 

のんびりとテレビを眺めていた時、ふと、私は重大な事実に気が付いた。それは、私の、いや、私たちの人生はいつだって法律に縛られて生きているのだということだ。

 

にもかかわらず、私は法律に関しては何も知らない。自分たちを縛っているものの正体を、何も知らないのだ。突如として天啓のごとく浮かんだその事実は、私を極度な不安の坩堝に叩きこんだ。

 

法律について何も知らない。しかし、私たちはたしかに法律の下で生きないといけない。そして、法律は勝手に生まれるものではない。間違いなく誰かが作っているのだ。

 

つまり、その「誰か」が自分たちにだけ都合がいい法律を作ったとしても、私たちはそのことすらも気付かずに生きていくということだ。それは何よりも恐ろしいことだった。

 

そうだ、法律について学ぼう。私は決意した。さっそく近所の図書館に行って、法律の入門書を何冊か借りてくる。何がいいかなんてわからないから、気になったものを片っ端だ。

 

まず読んでみることにしたのは、『ライフステージから学ぶ法律入門』という本である。なんだか教科書っぽいなと思いながら開いてみたら、内容もやっぱり教科書みたいだった。

 

ライフステージ。つまり、生まれてから、亡くなるまでの、人生の段階のことだ。そして、そのそれぞれで関係してくる法律がある。

 

法律は今やたくさん作られている。かの六法全書が人を殴ったら昏倒させることができるほどの分厚さを持っていることは周知の事実だろう。

 

それだけの数がある法律をひとつずつ学ぶなんて、到底無理な話だ。だからこそ、この本はその雑然とした法律を誰の目から見ても分かりやすい形にまとめてくれている。

 

ライフステージごとに私たちに関係がある法律だけを紹介してくれるのだ。とてもわかりやすく、かつ覚えやすい。法律は難しいと思っていたけれど、この本を読めばよくわかる。

 

惜しむらくは、教科書っぽくて読みづらいのと、読んでいると眠くなってくるということだろうか。ぐっすり仮眠をとる羽目になってしまった。

 

とはいえ、体系ごとにまとめてくれているから、自分に関係のある法律はすぐにわかった。私の今のライフステージの章を見ればいいんだもの。

 

社会人には社会人の法律がある。同じように赤ちゃんには赤ちゃんの、老人には老人の法律がある。法律は誰かのために作られているわけじゃない。私たちみんなが、法律の下にいる。

 

法律は私たちを縛っている。そして、法律が縛ってくれているからこそ、私たちは安心して生活することができている。

 

だけど、私たちは普段、あまり法律のことなんて気にしていない。精々テレビで事件が報道されているくらい。それでも、「犯罪はダメ!」くらいの、ふわっとした感覚しかない。

 

ただ、逆に考えれば、それはなんて恐ろしいことなのだろうと思うのだ。自分たちに密接に関わってくるものを、何も知らないだなんて。

 

ひとまず、自分に関係する法律を。とりあえず、これだけ押さえておけば安心だろう。それを知るためには、この『ライフステージから学ぶ法律入門』は最適なのかもしれない。

 

 

ライステージごとの法律

 

私たちは、この世に生を受けてから死ぬまで、季節の流れを意識して、一般的には80余年ぐらい生きて、命を追える。

 

私たちが生まれた社会は、個人が生まれる前からすでに存在しており、一定の秩序がすでにあった。将来、その社会がどうなるかは私たちの今の生き方にかかっている。

 

この現代の社会をどのように考え、どのように創り上げるかについては多様な考えがある。現代の社会は、一定の秩序を持ち、ルールに従って生きる社会として考えられている。

 

近代以降の社会派、このルールに基づく社会として構想され、基本的なルールとして、国民全体の意思に基づく法律が考えられたのである。

 

そしてそこに生きる私たちの人生には、我が国の法律があり、この法律に基本的に支えられている。したがって国民が法律を知り、理解することが、生きていくためにはどうしても必要である。

 

そこで本書では、普通のサラリーマン、主婦、学生などが、社会と法律の関係、法律の役割そしてとりわけ人生における法律の重要性を理解できるように工夫した。

 

そこで人生のステージに沿って、その時期に出会う法律があるので、人生の歩みを5つのステージを分けた。各ステージのはじめには、そこになにが書いてあるかあらかじめ分かるようにした。

 

ひとりひとりの人生は、社会全体とも根本的に関係があり、この点も踏まえて、法律を理解することが必要不可欠でもある。

 

本書を読んだことがひとつの契機となり、読者の法律への関心が高まり、人権が守られ、平和で公正な社会が創られ、そこで人々が豊かで幸せな人生を歩んでいけることを願う。

 

 

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