山好き必見のエッセイ本『山小屋ガールの癒されない日々』吉玉サキ
まるで足が棒のようだった。あんなに聞きたかった鳥の声も、あんなに見たかった新緑の木々も、もう何も目に入らない。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
まるで足が棒のようだった。あんなに聞きたかった鳥の声も、あんなに見たかった新緑の木々も、もう何も目に入らない。
「大人になる」ってどういうことだろう。誕生日のその瞬間、ロウソクを吹き消しながら、そんなことを思っていた。
その男は、絵画の中からこちらを見つめている。彼の名を、フィンセント・ファン・ゴッホといった。
今日、母が亡くなった。すでに物言わないその姿を見て、私は自分が泣いていないことを不思議に思った。
けたたましく鳴り響くエンジン音。怪物のような咆哮を挙げる暴れ馬のような相棒の手綱を引く。風を切るその瞬間、俺の目はただ目の前に伸びる道に...
往来に集まり、叫びをあげる人々。彼らは怒っているのだ。不当な差別に。自分たちをずっと虐げている、理不尽な社会に。
かっこよくて、かわいい恋人もいて、友達もたくさんいて、勉強もできる。誰からも愛され、なんでもできる奴。ああいう奴はいったい、何を考えて生...
うつらうつらと、閉じかけた瞼を必死に持ち上げる。隣を見ると、男子が欠伸をかみ殺していた。彼を見て、私の奥の方からも欠伸がじわりとこみ上げ...
ごめん。その、たったひとことのタイトル。一体何を謝っているんだろうか。その作品を読んでみることにしたのは、それが気になったからだった。
今になってもわからない。私は彼女のことが嫌いだったし、彼女もそうだっただろう。けれど、今でも親友と聞いてはっきりと顔を思い出せるのは、彼...