国民の知らぬ間に日本が蝕まれていく『日本が売られる』堤未果
金、金、金。この世は金が全てだ。周りを見渡してみれば、道具も、場所も、人も、技術も、何もかもに値札がついている。
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
金、金、金。この世は金が全てだ。周りを見渡してみれば、道具も、場所も、人も、技術も、何もかもに値札がついている。
私は鏡に映る自分の髪の毛を見た。耳を隠すボブカット。今まで、手入れが面倒だとそれ以上伸ばそうとはしなかった。けれど今、それがどこか惜しく...
テレビを何気なく見ていると、とある番組に興味を惹かれた。その番組は日本の素晴らしさを世界に伝えようという趣旨のようだ。
ああ、もう、疲れた。もしも、自分が煙であったなら、誰にも気づかれずに、どこか遠くに消えていけるのに。
歳なんて取りたくない。ずっと、そう思いながら生きてきた。誕生日を迎える度に憂鬱になる。ああ、またひとつ、歳を取ってしまったのだ、と。
「よろしくお願いします!」 新しく入社してきた女の子。元気よく挨拶する姿を見て、ああ若いな、と思う。そんな自分を自覚すると、私も...
最初、そのタイトルを見た時、私の胸には一抹の反感が芽生えた。その反感が、むしろ私にその本を読ませたのだ。
往来に集まり、叫びをあげる人々。彼らは怒っているのだ。不当な差別に。自分たちをずっと虐げている、理不尽な社会に。
大人って、いったい何だろう。疑問に思った僕は、その答えを求めて、一冊の本を手に取った。
企業に対して疑問を抱き始めたのは、まさに自分自身がその企業に所属する従業員として就職してからのことだった。