「昨日さ、『芸能人格付けチェック』見たんだよ」
道中で立ち寄った喫茶店で、目の前に座る友人が話しかけてくる。話題はテレビでやっていた番組のことだ。
「でさ、やっぱり、GACKTってすげぇよな!」
負けなしだぜ、負けなし。おれ、全然わからなかった。友人は興奮して語調も熱く語りかけてくる。彼は格付けチェックを初めて見たらしいのだ。そして、見事に魅了されたらしい。
「様をつけろよ、デコ介野郎」
「ご、ごめん」
つい怒ってしまった。しかし、よりにもよって彼を呼び捨てにするなど許せようはずがない。
「そういえば、前に見た番組でGACKT様の特集していたね」
「マジで。どんなだった」
私はその時に見た番組を思い出してみる。番組名は忘れてしまった。おぼろげに、筋トレでバスケットボールを腹筋に落としていた画が浮かぶ。ああ、そう、たしか家の紹介だったっけ。
「GACKT様が住んでる海外の豪邸を紹介していたかな。プール付き、バーもあるし」
「やっば」
友人は目を見開いて驚いた。しかし、その後に、彼は怪訝そうな眉根を寄せて首を傾げた。
「なあ、GACKT、様、って何なの?」
何している人なんだ?
「ミュージシャンだね」
彼のコンサートを思い出す。AKBみたいな女の子の制服の衣装を着て登場した図は、なかなかに衝撃が強かった。
ああ、そういえば『堂本兄弟』にも出演していたっけ。私はよく見ていた好きな番組を思い出す。
「それに、俳優もしてるよ」
埼玉をおもしろおかしく揶揄するという作風で話題になった『翔んで埼玉』。彼はその主演を務めているのだ。私が教えると、彼はへえと感心したように息を吐いた。
「でもさ、おれ、あまりテレビで見ないんだけど」
「ああ、まあ、出てないね、あまり」
私は苦笑しながら答える。
「じゃあ、どうやってあの人、そんなに稼いでるんだ?」
彼は心底わからないと言わんばかりに首を傾げた。
自分というブランドを
私はGACKT様が『火曜サプライズ』のゲストで出演した時のことを思い出す。
彼は自分のテレビ出演が少ないことを自覚している。
普通のタレントだったら、テレビ出演が少ないと焦るだろう。そして、落ちてくる仕事を血眼で拾って、スケジュールを黒く塗りつぶそうとするに違いない。
しかし、GACKT様はそんなことをしない。テレビ出演が少なくても焦らず悠々と構えている。
なぜなら、彼はテレビ出演が少ないことを逆手にとって、自分の希少価値を高めているからだ。
私はカバンから一冊の本を取り出す。愛読している『GACKTの勝ち方』という本だ。
テレビで見るシンガーソングライターや俳優としての顔とは別に、彼は不動産ビジネスを手掛ける実業家としての顔を持っている。
彼はその幅広く手を広げて様々な活動をすることで、今のような豪邸に住めるほどの成功を収めた。
彼がストイックに自己の研鑽を求めて生きているのは目標があるからだ。それは、『GACKT』そのものである。
自分の中にある『GACKT』を目指しているからこそ、彼はその理想に辿り着くために努力を惜しまない。
彼は自分をブランディングすることの極致にいるのだと、私は思う。今や、彼の存在そのものがブランドなのだ。
人生をマネタイズする。そのためには、彼のように目的だけを見定めて、そのためにストイックに動いていかなければならない。
「おれ、GACKTになりてぇなぁ」
友人はそんなことを言っていたけれど、私はGACKTになりたいとは思わないし、彼以外にGACKTになれるとは思わない。
彼だからこそ、GACKTになることができたのだ。だから私は彼を尊敬しているのである。
「GACKT、やっべえなぁ」
その通り、GACKTはやばい。彼ほどかっこいい男は他にはいないだろう。
表現者GACKT様はいかにして成功を手にしたのか?
成功したい。
漠然とした夢だとしても、その夢に向かって踏み出すのは、成功するための第一歩だ。
しかし、その一歩目が難しい。人脈や戦略を模索しているうちに時間は過ぎ、夢は遠ざかっていく。
勝負から逃げる免罪符はいくらでもある。そうしているうちに人生の貴重な時間は過ぎていく。
世の中には根拠なき自信で無謀な挑戦をする者たちがいる。その者たちも失敗することはあるだろう。
だが、そんな彼らはとっくにリスタートし、新たな挑戦を始め、経験とレベルを上げていく。
ビジネスにおいて、これだけ準備すれば成功するという法則はない。
GACKTはなぜそんなにカネを持っているのか?
それは、30歳からのボクが、人知れず実業家としても生き、GACKTという名前をブランディングし、カネを生み出す仕組みを構築してきたからだ。
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