糖質がすべての元凶『医者が教える食事術 最強の教科書』牧田善二


 自分は健康だと思っていた。老人になっても働けるだろうと信じていた。それが間違いだったことを知ったのは、五十代になってからのことだ。

 

 

 若い頃からずっと、健康のために運動を続けていた。筋肉も引き締まっているし、健康には自信があった。

 

 

 だが、五十代になってから、腹の肉が落ちなくなってきた。引き締まっていた身体はだらしない中年太りになり、身体がどことなく不調になることが多くなった。

 

 

 バカな。どうしてだ。私は愕然とした。健康には常に気を配っていたし、食事も運動も気をつけていたというのに。

 

 

 混乱した私は、そこで初めて焦りを覚えた。それまで安泰だと思っていた自分の将来が、音を立てて崩れ去ったような気がした。

 

 

 私は休日の余暇を利用して、図書館に赴いた。デマが流布し、信憑性に欠けるネットの情報を信頼するつもりはなかった。ひとまず本を読んで情報を集めようと考えたのだ。

 

 

 そこで私が目をつけたのは、『医者が教える食事術 最強の教科書』という一冊だった。

 

 

 調べてみると、一時、テレビで紹介されて話題になったらしい。いちおう借りてみようと思い、他の何冊かとともに借りた。

 

 

 しかし、読み始めた私は、序章でまず顔をしかめた。なにせ、そこに書かれていたのは、今まで私がしてきたことの否定だったからだ。

 

 

 少し不愉快な気持ちになりながらも、私は読み進めていった。しかし、次第に私は気が付くと、齧りつくように前のめりになって、夢中になって読み進めていた。

 

 

 その本は、世間的に「健康にいい」と言われている方法を否定している。しかも、医者や栄養士の中にすら、間違ったことを言っている人がいるとすら述べていた。

 

 

 しかし、その根拠は明確で、しっかりしている。だからこそ、「そんな馬鹿な」と思うこともできなかった。

 

 

 その本によると、運動による影響は微々たるもので、むしろ健康になるために気にしなければならないのは「食事」の方だという。

 

 

 その中でも、根本の原因となっているのは「糖質」だという。脂肪が増えると肥満になるのだから、気にするべきはカロリーや脂質じゃないのか、と思うが、それはどうやら違うらしい。

 

 

 カロリーや脂質は、肥満にはほとんど影響がないという。むしろ、糖質の方がよほど大きな影響があるのだそうだ。

 

 

 栄養ドリンク、果物、缶コーヒー、清涼飲料水。私たちが何気なく口にしているものの糖質は相当の量だ。それが肥満を引き起こしている。

 

 

 世間で一時的に流行するダイエットや健康法に振り回される人が多いが、むしろ、その行動は健康を崩すことにつながりかねないというのだ。

 

 

 読み終わって、読後感に放心したまま、私は自分の腹を見下ろした。でっぷりと太った脂肪の塊を。

 

 

 「健康にいい」と言われてきた方法を一途に試して、運動に汗水を垂らした結果がこの腹なのだ。私はこの本を信用せざるを得なかった。

 

 

 ならばどうするか。きっと、今の私はこの本で言うところの「糖質中毒」になっていることだろう。

 

 

 もっと早く、この本と出会いたかった。それとも、まだ遅くないのだろうか。今からでも間に合うのだろうか。

 

 

 私はもう五十代だ。若いとは言えない年齢になった。四十代を過ぎて、健康の問題が一気に出てきた。

 

 

 むしろ今だからこそ、治すべきかもしれない。自分の食生活を。改めて、考えてみるべき時なのだ。

 

 

 健康は一生に関わる。仕事だけでなく、人生の問題だ。だからこそ、世間ではなく、自分の中にしっかりとした根を持っておかなければならないのかもしれない。

 

 

糖質が健康を害する

 

 私は糖尿病専門医として38年間、延べ20万人以上の患者さんを診てきました。そうした日々を過ごしてきた私の目には、ビジネスパーソンの中に大きな「健康格差」が広がっていることが見て取れます。

 

 

 ビジネスパーソンの間に健康格差を作り出しているのは、間違いなく「日々の食事」です。食べるものは、あなたの健康を左右し、仕事のパフォーマンスにも影響を与えます。

 

 

 しかし世の中には、多くの”ありえない”食事法が次から次へと登場しています。絶対に口にしてはならないものが現代社会には溢れています。

 

 

 あなたも、いろいろな不調を抱えていることでしょう。そうしたことの根本原因は、「血糖値」にあります。

 

 

 そして、それは現代人ならではの「食事様式」が生み出しています。「いいつもり」でやっていることが「太る→老ける→病む」という流れをつくってしまっているのです。

 

 

 本書では、あなたがとるべき最強の食事について、最新のエビデンスに基づいて説明していきます。

 

 

 本書を読んで下されば、一時の流行に左右されず、絶対的な食事術を身につけることができます。それによって、「肥満・老化・病気」のすべてに対処することができます。

 

 

 この先もいい仕事をし、充実した人生を送りたいと望んでいるなら、本書を味方に、今すぐ食事を変えてください。

 

 

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